保守系新聞の「国への叱り方」に注目したい
こういう事態のとき、新聞が何を言うかあらためて注目したい。
スティーブン・スピルバーグ監督は最新作「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」公開前のインタビューで、
《報道機関は真実のために戦いました。それは私にとって『事実』であり、党派的な考え方ではありません。私は自分の国を愛しているし、この国の人たちを愛しています。私は民主党員のために映画を作っているのではなく、みんなのために作っています。党派を超えた愛国的な映画です》
と語った(朝日新聞 3月6日)。
国を愛しているほど、国がおかしなことをやっていれば「それはおかしいんじゃないか?」と声を上げるほうが愛国的だと言っているのだ。
なら、保守的な論調が売りの新聞こそ今回の問題で「国に対してどう叱るのか」。これも新聞の読みどころと言える。
いつの間にか「書き換え」という表現から「改竄」になっていた産経
産経新聞の社説が目を引いた。
「公文書改竄 国会に調査機関が必要だ」(3月18日)
《不可解な点の解明は、佐川氏に質(ただ)すだけでは済むまい。国会が、自ら改竄問題を検証する調査機関の設置を求めたい。これに安倍内閣や関係省庁、関係機関が協力すべきは当然である。》
《立法府の機能と権威を取り戻すため、与野党を超えて必要な取り組みではないか。政略的な駆け引きに終始すれば、なすべき事の本質を見失いかねない。》
産経師匠の見事な「小言」である。保守おじさんの雷が落ちた。
そういえば産経もいつの間にか「書き換え」という表現から「改竄」になっていた。産経も静かにグラウンド上を見ている。
江夏はあの大ピンチをくぐりぬけたが、果たして「安倍の21球」はどうなる?
何点とられるまで野球やってるんだ、というヤジも聞こえるが。