1ページ目から読む
2/3ページ目

 勝ったときは堂々と相手側に要求して、負けたときはクヨクヨして払わないとか、一部だけ払ってこっちにケツを回すなど、そんな人間をたくさん見て、嫌気がさしていた。

旧友のような存在だった山城新伍

 芸能界との付き合いは、京都の撮影所の関係だけではなかった。

 わしが関東に上がって坂町総業という看板を出して二代目宅見組の代紋を掲げたときにも、芸能界の古い人間とは付き合いがあった。

ADVERTISEMENT

 例えば、何度も名前を出して悪いが山城新伍とは旧友のような付き合いをしていた。

山城新伍さん ©時事通信社

 山城新伍が嫁さんの花園ひろみと仲が悪くなって芝公園にある東京プリンスホテルに部屋を借りたときも、わしは一緒に部屋を借りて生活をするような時期もあった。だが、その後芸能界が反社会勢力、つまりヤクザとの付き合いを止めましょうという流れになって、芸能人との付き合いが段々薄くなってきた。

 芸能人も人に夢を売ってなんぼだから、当然マスコミに騒がれるような交際は避ける。何度も言うが、わしはタニマチでもスポンサーでもなく、ただの友人関係だからそこは察して付き合いを遠慮するようになった。

 芸能協会などで、反社会勢力と付き合うな、と叫ばれ始めたのはわしが旭川刑務所に行く前だから20年以上前の話だと記憶している。そこで無理を言って芸能人と付き合ってもお互いにいい感情を持たないだろうし、何かあったら干されるのは芸能人だから、そこは一線を引くべきだ。