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《44人目のプロ野球選手誕生》超名門・大阪桐蔭で、10年間スター選手が出ず中学生から避けられる“異常事態” 監督も「僕らの目標は甲子園で勝つこと」と明言

《44人目のプロ野球選手誕生》超名門・大阪桐蔭で、10年間スター選手が出ず中学生から避けられる“異常事態” 監督も「僕らの目標は甲子園で勝つこと」と明言

2023/11/01
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2013年の森友哉の後、トップ選手は生まれていない

 大阪桐蔭としては昨年の松尾汐恩(DeNA)に続くドラ1指名で、前田は44人目の大阪桐蔭出身プロ野球選手となる。

 2000年代に中村剛也(埼玉西武)や平田良介(元中日)、中田翔(巨人)、浅村栄斗(東北楽天)らが高校からの直接プロ入りで次々と活躍する頃、大阪桐蔭出身の選手は「プロ野球でも即戦力」と言われていた。全国から精鋭が集まって寮生活を送り、野球漬けの毎日を送ることでプロでの土台を築く。それが大阪桐蔭で野球に励むということだった。

 しかしここ数年、大阪桐蔭は高校野球界での「一強ぶり」とは裏腹に、プロでの活躍は鳴りを潜めている。2013年ドラフト1位、2014年卒の森友哉(現オリックス)を最後に、日本を代表するような選手は大阪桐蔭からは生まれていない。

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2014年に大阪桐蔭を卒業した森友哉 ©文藝春秋

 ここに森以降のドラフトで指名された大阪桐蔭の卒業生を列記する。()内は高校を卒業した年および入団後の動向だ。

14年ドラフト
千葉ロッテ5位 香月一也(15年卒。20年に巨人にトレード。今オフ戦力外に)


15年ドラフト
DeNA6位 青柳昴樹(16年卒。19年に現役引退)


16年ドラフト 
北海道日本ハム5位 高山優希(17年卒。22年オフに退団)
オリックス8位 澤田圭佑(13年卒。立教大を経て入団、22年オフに戦力外となり、23年からは千葉ロッテ)


17年ドラフト 
オリックス8位 山足達也(12年卒。立命館大、Honda鈴鹿を経て入団)
東北楽天育成3位 中村和希(14年卒。天理大を経て入団)


18年ドラフト 
中日1位 根尾昂(19年卒)
千葉ロッテ1位藤原恭大(19年卒)
北海道日本ハム5位 柿木蓮(19年卒)
巨人4位 横川凱(19年卒)
広島6位 正隨優弥(15年卒。亜細亜大を経て入団。22年オフに現役ドラフトで楽天移籍。今オフ戦力外に)


19年ドラフト 
千葉ロッテ5位 福田光輝(16年卒。法政大を経て入団。23年3月にトレードで北海道日本ハムに移籍)
オリックス育成3位 中田惟斗(20年卒)


20年ドラフト 
埼玉西武7位 仲三河優太(21年卒、今オフ戦力外に)


21年ドラフト 
DeNA2位 徳山壮磨(18年卒。早稲田大学を経て入団)
オリックス5位 池田陵真(22年卒)
北海道日本ハム7位 松浦慶斗(22年卒)


22年ドラフト 
DeNA1位 松尾汐恩(23年卒)

23年ドラフト
ソフトバンク1位 前田悠伍(24年卒予定)

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