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『Mステ』の演出が変わって、気にするようになったこと

―― テレビとライブとでは、披露するダンスの映え方にちがいを出さなきゃならないと思います。どんなところに気を遣うんですか?

竹中 ライブでは、歌ってる子には歌に集中させてあげたいから、軽めの振付けにするんです。その代わり他の子にガッツリ踊ってもらって補完する。でもテレビだと考え方は真逆で、カメラはどうしても歌ってる子に寄ります。なので多少歌いづらくてもそこは頑張ってもらって、ちょっと華やかな、カメラが寄る想定の振付けにしたりしますね。動きが激しすぎるとカメラが追えないので、顔の周りでできる振りを付けたりとか。

 

―― 歌番組を観ていると、カメラワークが自然と気になるものですか。

竹中 カメラワークも注意しますけど、それ以上にテロップで出るトリビア情報に目がいきますね。特にここ数年の『Mステ』って、演出が変わったじゃないですか。「何々ダンスに注目」とか、裏設定を大事にして視聴者に届けてくれている。だからさっきの「ドラマの枠を決める」みたいな裏話がめちゃくちゃ大事なんです。たとえば、秦基博さんの『スミレ』という曲で、私はバックダンサーの振付けをしたんですけど、最後の振りに「スミレ」を表す手話を取り入れているんです。

―― なるほど。なにかストーリーを入れるんですね。

竹中 そうですね。楽曲を補完するようなエピソードを、振付けの面で意識的に取り入れるようにしています。

登美丘高校ダンス部が「発見」された意味

―― 『Mステ』は「〇〇ダンスに注目!」みたいな紹介もしますけど、まさにここ最近は「恋ダンス」をはじめ、ダンスや振付けに注目が集まっている感じがします。

竹中 登美丘高校のダンス部も話題になりましたよね。でも、あれぐらいレベルの高い子たちって、ダンス界ではいい意味でゴロゴロいるんですよ。それが全然外に届いてなかったんですね。それを「バブリー」っていうキャッチーな演出によって多くの人に届けた功績は大きいと思います。

―― ダンスの才能はまだまだいるぞ、というのを見せたことが大きいんですね。

竹中 そうですね。だから原石がもっと見つかればいいなと思います。ダンスの世界って、見る人も評価する人も、みんなダンスをやってる人たちばかりなんですよ。せっまい世界(笑)。それがすごいつまんないな、と思ってたところに、ああいう子たちの存在が「発見」されて、スポットが当たったのは大きいと思うんです。

 

―― 『めちゃイケ』の岡村隆史さんと三浦大知さんのダンス企画もそうですけど、「キレのあるダンス」を面白がるというか、ダンスにそれほど注目してなかった人たちの間にも、「ダンスすごい」という感覚が広がり始めているのかもしれませんね。

竹中 昔からそうなんですが、エンタメって軽視される傾向にあって。舞踊界でもアイドルダンスやEXILE系のダンスを下にみる人って未だにいなくならないんですよね。アートの方が偉い、みたいな感じで。私は大学を卒業する頃までにそういう思考をなにくそって思うようになりました。アートを憎んでるわけではもちろんありませんし厳密にはジャンルなんてどうでもいいんですが、エンタメって観客ありきで考えられたものだからすごい偉くない?って。そういう人たちを尊敬もしているし。だから、テレビを通してダンスに注目が集まっているのはいい流れだなって思ってます。

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