元検事で弁護士の若狭勝氏が解説する。
「こうしたケースは窃盗罪に抵触する可能性があります。10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。仮に看護師が単独で備品を管理していれば業務上横領に当たる。職員が備品を盗んだ場合、国公立大学のように私立大学には告発義務はありませんが、公にする道義的責任があります」
だが、日大はAさんを処分することなく、「自己都合」での退職ということになった。
11月5日、すでに別の病院で勤務を始めていたAさんを自宅で直撃した。
——今年9月に病院を辞めたか。
「辞めました。家の都合で」
——病院の備品を……。
「(質問の途中で)いや、全然」
——ハンドピースをメルカリで売っていた、と。
「どうしてそんな話になってるんだろう」
——ハンドピースがなくなっているが。
「そう。ハンドピース以外にも備品がなくなっているって話は確かに出ていたので、そこは今後どうやっていくかっていう話で元々やっているところでした」
ハンドピースがなくなっていることは認めたものの、自身の関与は頑なに否定するのだった。
11月6日、改めて日大の本部に事実確認を求める質問状を送付した。すると、広報部広報課から以下の回答があった。
「当該学部に事実関係を照会中です。現時点で回答の目処がたっておりません」
その後、記事を配信した11月12日時点でもまだ回答は寄せられていない。
日大歯学部付属歯科病院で何が起きているのか。現在配信中の「週刊文春電子版」では、優秀な看護師だったというAさんの評判、備品がメルカリで売られていることが発覚した経緯、Aさんとの詳しい一問一答などを詳しく報じている。
《大学側は事案を公表せず》「100本ほどがなくなった」日大歯学部付属歯科病院 “メルカリで備品売却”疑惑の看護師が退職「逃げるように辞めた」
週刊文春電子版の注目記事
文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。
※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。