昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2018/03/25

矢野2軍監督による失敗のすすめ

「どんどん失敗していいんです」

 伊藤隼太に、矢野燿大2軍監督と過ごした春季キャンプの話を聞いた時の言葉です。

 そういえば、昨シーズンまで1軍作戦兼バッテリーコーチとして金本監督を支えてきた矢野2軍監督に「2軍監督として大事にされていることはなんですか?」と尋ねたとき、こんなことを話していました。

「失敗してもええねんな。27球で試合が終わってもいいから積極的にいけばいい。俺も若いころは初球打ちに行って打ち上げたらどうしよう……あれやったら怒られるかな、これやったら怒られるかなって思ってたよ。でもな、これじゃ前にいかへんねん。2軍は、選手をうまくして1軍に上げてやるのが仕事やから」

山崎憲晴も積極的にプレー

 自身を「一度死んだ身」と話す、山崎憲晴(DeNAを戦力外になり今シーズンからタイガース)も矢野2軍監督の言葉が積極的にプレーできる環境を作ってくれていると言います。

「思い切っていって、もし失敗したとしても責められることがないんですよね。矢野さんには」

 プロ10年目を迎える山崎自身も、これまで1軍の舞台を経験してきた中で最初からいかないとだめだと思うようになっていたそうで、矢野2軍監督がミーティングで話す言葉には首を縦に振り続けながら耳を傾けていたようです。

黒く汚れたユニフォームが充実の証

 伊藤隼太は自分の幅を広げようとキャンプではいろいろ試したようです。「ワンバウンドで積極的にスタートしてみると、こんなところまでいけるんだって。新しい発見があったいいキャンプでした」。黒く汚れたユニフォームに身を包み、そう話す表情は、充実しているようにしか見えませんでした。

「小さいころはみんなここで走れるかも! これ打てるかも! って前向きに野球をやってたと思うねん。野球が楽しかったころの前向きな気持ち思い出してほしいねんな」

 矢野2軍監督の言葉通り、3月14日の伊藤隼太の表情はまさしく野球少年でした。

 中堅クラスの執念、きっと今シーズンの優勝の力になります。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。