堀越麗禾、12歳。市川團十郎と小林麻央の愛娘で、舞踊家“4代目市川ぼたん”としても知られている。今年4月から芸能事務所に所属し、公開中の映画『ザ・クリエイター/創造者』では超進化型AIの少女・アルフィーの吹替を熱演。
「どんな分野にも飛び込んで、“確かな私”を見つけたい」と意欲を見せる彼女が、『週刊文春』(11月22日発売号)でグラビア撮影に初挑戦した。誌面では紹介しきれなかった瑞々しい表情と言葉を、誌面未掲載カットとともにお届けする。(全2回の2回目/1回目から読む)
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『私にできるのかな』って不安はいつもあります
「アフレコでは丸一日かけて、頭から順番にアルフィーの“心の変化”を追いかけていきました。最初は主人公のジョシュアと言葉すら通じない状態で、少しずつ話せるようになっていく。短い台詞のひとつひとつが重要で、色んな想いがぎゅっと詰まっているんです。ジョシュアとの絆が出来上がっていくまでの微妙な気持ちをどう表現したらいいのか、監督にアドバイスをもらいながら、一生懸命に声を吹き込みました」
アフレコに挑む前、字幕版を観た父の團十郎は「いやぁ、いい映画だねぇ。こんなに大切な役をいただけたなんて」と感嘆したという。満を持しての「吹替版」は、家族3人で観に行く予定だ。
「緊張するなぁ……。とても心を揺さぶられるストーリーで、マネージャーさんも『号泣した』と言ってくれたんですけど、私は自分の声が気になって泣けないかもしれません(笑)。父はどうかなぁ。ふだん、あまり涙を見せないんです。泣くときは思い切り泣くんですけど」
透明感に満ちた声で“AI”という難役を演じきった彼女。カメラマンがもらした「僕も観てみたいな」の言葉に、すかさず「『ザ・クリエイター』、ぜひ映画館で!」とアピールした。
「これからも声のお仕事は積極的に挑戦したいです。演じてみたい役は……頭のどこかにはあるんでしょうけど、自分でもまだ掴めていないんです。それよりも、いただけるチャンスには何でも体当たりで取り組みたい。
『私にできるのかな』って不安はいつもあります。でも、今回の実写吹替も、テレビドラマ『二月の勝者』に俳優として出演した時も、いざ経験してみると『楽しい! もっとやってみたい!』と興味がぐんぐん膨らんでいって。今の私、やりたいことだらけなんです」