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昨季96敗のヤクルト 2018年に希望の光はあるのか?

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/03/30
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ファンに聞いた「2018年の希望の光」とは?

 ……さて、ここまで何食わぬ顔で、普通の「開幕原稿」を書き綴ってきたけれど、ヤクルトにとって2018年の開幕は、決して「普通」ではない。「96敗」という球団ワーストとなるシーズン敗戦記録を経験した屈辱の17年シーズンを経て、再起を図る大切なシーズン。それが2018年だ。

 開幕前に、ヤクルトファンによるヤクルトファンのための『スワらしい時間』というYouTubeの番組にゲスト出演させてもらった。先週発売されたばかりの新刊『96敗 東京ヤクルトスワローズ それでも見える、希望の光』のプロモーションを兼ねてのゲスト出演だったのだが、その際に僕は視聴者の方に向けて、自著のタイトルに絡めて、「あなたが考える2018年ヤクルトの希望の光は?」という質問を投げかけ、ツイッターで投稿してもらった。すると、瞬く間にタイムライン上は「希望の光」で埋まることとなった。

 具体的な個人名では、「メジャーリーグで戦ってきた百戦錬磨のミスタースワローズが、変わろうとしているスワローズに明るい、未来へ導く光を見せてくれる」という理由で青木宣親を挙げる人が多かった。さらに、「青木選手が帰ってきてマークが分散されることで、またトリプルスリーが狙えるくらい活躍してくれるのではないか」と山田哲人に対する期待の声も目立った。

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7年ぶりにヤクルトに復帰した青木宣親

 あるいは若手の名前では、「あのフルスイングはたまらない」と廣岡大志を挙げる人が圧倒的に多かった。他にも、「センスがあるし、何よりあの明るいところがとても好ましい」という理由で奥村展征の名前もあったし、「今年こそ」と高橋奎二に対する声援もあった。

 目立ったのは小川淳司監督に対するエールだった。笑ったのは「強烈な個性のコーチ、才能あふれる選手の間に立ち、チームのトップでありながら中間管理職のような立場」という指摘。みんな同じことを考えているんだなぁ(笑)。でも、自ら「調整型」を任じる小川監督だからこそ、百戦錬磨のコーチ陣と、捲土重来に燃える選手たちとのバランスをきちんととってくれるのだと、僕は期待している。

 そして、選手や首脳陣ではなく、「96敗でも応援し続けたファンの存在」とか、「スワローズを愛する人たちの力」など、「96敗しても、批判や暴言を吐かずに熱心に応援したファン」を「希望の光」と考えている人が多いのが印象的だった。

 確かに、昨年は基本的には負け試合ばかりを見続けることになったにもかかわらず、それでも神宮球場に足繁く通ったり、あるいはテレビの前で声を嗄らしたり、携帯を握りしめながら一球速報に思いを託したりしていた熱心なヤクルトファンの存在は、どん底にあえぐチームの支えとなっていたのは間違いない。そして、それはヤクルトの宝であり、力でもある。今年も多くのファンがツバメ戦士たちを後押しすべく、力の限りの声援を送ることだろう。僕もまたその一部となりたい。

 ここでは紹介できなかった意見はたくさんあるので、ぜひ「#2018希望の光」で検索してみてほしい。数々の希望の光が強烈な光の束となって、真っ直ぐに神宮球場に降り注ぎ、まばゆいばかりの光の中で躍動するスワローズナインたちの姿が浮かんでくるはずだから。

 開幕戦当日の試合前までは、昨年日本一の福岡ソフトバンクホークスも、96敗の東京ヤクルトスワローズも、12球団すべてが「貯金0、借金0」の対等な立場だ。しかし、今日の夜からは食うか、食われるかの過酷な戦いがスタートする。ここからの半年余りは一喜一憂する日々が続く。一喜一憂ならちょうど5割。昨年は一喜二憂以下のペースだった。今年は二喜一憂のペースで喜びを味わいたい。そうすれば、勝率は.666だ。いやいや、前年96敗のチームだ。ここは謙虚に一喜一憂で御の字だろう。

 今年も、プロ野球が始まろうとしている。楽しくもあり、苦しくもあり、やっぱり楽しさしかない毎日。今年もどうぞよろしくお願いいたします!

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