9月30日午前7時ごろ、兵庫県宝塚市のマンションに住む宝塚歌劇団宙組の劇団員・有愛きい(25)が、マンション敷地内で死亡しているのが見つかった事件。

 劇団は11月14日に弁護士による調査報告書を公表。有愛が上級生から叱責を受けていたという事実は認めたが、「社会通念上、不相当とはいえない」と結論づけ、有愛の遺族が訴える「上級生からのパワーハラスメント」は認められなかった。

「やけどさされた」「ちゃいろになってる」転落死したタカラジェンヌの“悲痛LINE”を無視した“宝塚報告書”3つの問題点 現役宙組生は「私の訴えはもみ消された」

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 劇団内部の混乱は続いているが、今回、「週刊文春」の取材で新たに、劇団のモラルハザードが生徒のみならず、演出家にまで波及していることがわかった。劇団も小誌の質問に事実関係を認めた。

亡くなった有愛きい(劇団公式HPより)

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公演実施の話し合い後、演出家が上級生に酒を勧め…

 11月中旬、宝塚大劇場5階には花組の一部生徒らが集まり、11月28日から東京で行われる予定の公演を実施するべきかどうかで揺れていた。組子同士で話し合いがもたれ、公演中止派の美風舞良組長がパニックになって泣き崩れる中、その空間には場違いの赤ら顔の男がいた。

「演出を担当する藤井大介氏です。劇団理事の立場でありながら、アルコール依存症を疑う声がある。以前から稽古場に酒の入った水筒を持参することが問題視されてきました」(花組関係者)

“事件”が起きたのは、その話し合いが終わった後。稽古場がある5階のリフレッシュコーナーでのことだった。藤井氏は上級生を元気づけようと思ったのか、自ら持ち込んだ酒を勧め「飲み会」がスタートした。

 ところがその様子を下級生たちが目撃したのだ。有愛と同期のXはこう抗議したという。

「こんな時にお酒を飲むなんて不謹慎ですよ」

 すると「飲み会」に同席していた上級生の一人が、

「先生(藤井氏)に対して言い方が失礼。先生に謝れ」

 そう逆ギレし、罵倒したのだという――。