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これらを踏まえると、「逃げる」判断は遅くなる可能性の方が高いと考えても良いでしょう。(1)も(2)も(3)も、無意識のうちに働いてしまうので、完全に影響を受けないようにすることは難しいかもしれません。「こういったものがある」と知っておくだけでも充分です。

逃げたい気持ちが出てきたら最終ラインを決めておく

私は、「逃げる」ことを意識した時点で、いつ逃げてもよいと思っています。本当に問題がないのなら、「逃げる」などと全く考えもしないはずだからです。

心のどこかに「逃げるとしたら」「逃げた方がいいのかな」などと「逃げる」という単語が湧き出てきた時点で、逃げてもいいのです。

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しかし、すぐに逃げる判断もできないかもしれません。そこでこうしてみてください。

「『逃げる』という言葉が頭に出てきたら、出口を決める」

つまり逃げたい気持ちが少しでも出てきたら、「○○になったら逃げる」というラインを設定しておくのです。

たとえば、「次のタイミングで昇進できなかったら、転職する」「次同じようなトラブルが起きたら、即仕事を辞める」「次の資格試験で合格できなかったら、あきらめる」などといった具合にです。

出口を決めておくことで、逃げるタイミングを見失わずに済みます。また、最後のチャンスを設けることもできます。

Tomy(とみー)
精神科医
1978年生まれ。某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。ゲイである自分に何か答えをくれるかもしれないと精神科医局への入局を決意。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックの常勤医。『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)、『失恋、離婚、死別の処方箋 別れに苦しむ、あなたへ。』(CCCメディアハウス)など著書多数。