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内川聖一は“鷹のパワースポット”鹿児島で、再び異次元の活躍を見せるか

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/04/15
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内川が地方試合に闘志を燃やす理由

 そして、鹿児島といえば、忘れてはならない選手がいる。内川聖一だ。

 ちょうどホークス移籍初年度からこの鹿児島遠征が始まったのだが、とてつもなく打ちまくっている。通算成績、23打数17安打。打率にして.739。もう異次元である。もちろん内川本人も鹿児島の試合後はノリノリ。

「もしかしたら自分は鹿児島出身なんじゃないかと(笑)。そんな事を言うと(故郷の)大分の人たちに怒られちゃいますね。鹿児島の黒豚パワー、そして桜島のパワーはすごいと思います!」

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 そんなコメントで鴨池球場のスタンドを大いに沸かせたこともあった。

16年に鹿児島で開催されたオリックス戦、4安打でお立ち台に上がった内川聖一(左)

 じつは、内川、もともと地方試合になるとより闘志を燃やして試合に臨んでいる。

「僕自身も大分で過ごした子供時代に、年に1回のプロ野球の試合を楽しみにしていました。今の僕らにとっては数ある多くの試合の1試合かもしれないけど、その場でしかプロ野球を観られないファンもいると思う。何とかいいプレーを見せたいと思っているし、来てくれた子どもたちが『プロ野球選手になりたい』と夢を持ってくれたら本当に嬉しい」

地元大分で小学生時代に見た小久保のホームラン

 小学生時代にはホークスのファンクラブに入会していた。小学校6年生だった95年3月3日、チケットを握りしめて駆けつけた新大分球場(現・別大興産スタジアム)でダイエーと巨人のオープン戦を観た。くしくもこの試合は、この年7年ぶりにユニフォームを着たダイエー王貞治監督と巨人長嶋茂雄監督が戦った「初のON対決」だった。

「この試合で小久保さんがホームランを打ったんです。プロってすごいなと思いました。自分がプロに入って小久保さんにその話をしたら『お前小学生だったんか!』って驚かれましたけど、『オレもそのホームランは覚えてるわ』って言われてなんだか嬉しかったですね。この歳になってもプロ野球を生で見た時の感動は忘れません。今の子どもたちにも、同じような気持ちで野球を見てもらえると嬉しい」

 それは鹿児島などの地方試合に限らず、ヤフオクドームや各ビジター本拠地でも同じ思いを持って打席に立ってきた。

 積み重ねたヒットの数がまもなく2000本の金字塔に達する。好相性の鹿児島でその数字がどこまで前進できるのか、そんな楽しみもある一戦となる。

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