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岡島、銀次……楽天選手の震災への想い 「がんばろう東北シリーズ」の舞台裏

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/04/19
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プレーもシャベリも切れ味抜群の藤田選手

名手・藤田選手 ©Rakuten Eagles

 そしてこの試合でも光るプレーを見せてくれたのがこの選手。華麗なグラブ捌きと的確なポジショニングで埼玉西武の栗山選手と岡田選手のヒット性の当たりを捕球しスローイング、打っても結果を出した藤田一也選手にゲーム前に東北の好きなところを聞いてみた。

「やっぱりね、ファンの方々の熱い声援ですね! すっごい力になりますし、常に良いところを見せたいなと思ってやっています」。そう話してくれた。

 ゲーム後の藤田選手へのインタビューである。

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河内「ヒット性の打球を、うまく捌いてらっしゃいましたが……」

藤田選手「ほんとアウトになって良かったです! でも今日は勝てたことでイヤな流れが切れたと思うので、これから連勝できるようにがんばります!」

河内「ところで気分の良い今、聞きたい曲ってありますか?」

藤田選手「明日から福岡移動なんで、吉幾三さんの『俺ら東京さ行ぐだ』ですね」

河内「え? 福岡なのに『俺ら東京さ行ぐだ』ですか!?」

藤田選手「飛行機で行くんすけど、東京の上空を飛んで福岡に行くんで、この曲ですね(笑)」

 瞬時にキャッチできなかった頭の回転が鈍い自分だったが、藤田選手はプレーもシャベリも切れ味抜群で、いつもワクワクした言葉で楽しませてくれる。

 以前、好きな秋の味覚について聞いた時も、「サンマにかける、すだちです」と答えた藤田選手。「サンマを美味しく食べるには、徳島産のすだちあってこそですよ」と、地元徳島へのすだち愛と、独自なユーモアを持ち合わせた戌年・年男、藤田一也選手、バリバリ健在だ!

プロ初勝利を掴み取った年男の池田選手

初のお立ち台での池田選手 ©Rakuten Eagles

 そしてこの3戦目、入団2年目の池田隆英選手(創価大)がプロ初勝利を掴んだ。前回登板も6回4安打1失点と先発の役目を見事に果たしたが、白星とはならなかった。そこから中6日でのリベンジ登板で手にした勝利は格別だったに違いない。

「今年の目標は、まずは、初勝利を目指して頑張ります!」と開幕前に話してくれた池田選手。初のお立ち台で、ウインニングボールは「両親に贈ります!」と誓った。

 池田選手の試合後のメッセージをご覧いただこう。

 この後の談話で、「いやぁホント、勝つことは大変ですね、7回に失点してしまったので次はしっかり投げたいと思います」と語ってくれた。先発ローテーションを掴み取った本格右腕の言葉は、もう次のマウンドに向かっていた。

 入団当時に好きな自分の時間についてインタビューした時には「ファンの方から貰ったファンレターを読んでるときです」と話してくれた。ファンの声援がチカラになる事を存分に知っている、戌年・年男の池田選手に今シーズンまだまだ吠えまくってもらおう!

 この試合は選手やチームとファンの皆さんの想いがひとつになって掴んだ大事な大事な1勝だった。そしてTOHOKUの熱を肌身で感じながら、勝利の喜びが味わえるペナントレースを、ここからも全力で楽しんでいきたいと改めて思った3日間だった。

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