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61歳でビキニ姿を披露

 時は流れ、61歳になっていた2020年に、デビュー40周年を記念して、再び篠山紀信の撮影でビキニ姿の写真を含むカレンダー&フォトブックを出し、話題を呼んだことは記憶に新しい。篠山とは同時期に雑誌の表紙撮影でも一緒になり、「君は40年前と変わらないね」と言われ、《「素朴なままだ」と褒めていただいたのだと解釈して、これからも気負わずに歩んでいこうと》決意を新たにしている(『婦人公論』前掲号)。

『宮崎美子 デビュー40周年記念カレンダー&フォトブック』では、61歳でビキニ姿を披露

 俳優業ばかりでなく、デビュー当初よりクイズ番組にも多数出演し、その正答率の高さから、いまでは「クイズの女王」とも称される。『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』出演をきっかけに漢字検定にも挑戦し、準1級に続き、1級も2度目の受検で取得した。

 かつてアナウンサー志望だっただけに、若い頃から社会問題への関心も高い。学生時代には法学部の「ベトナム・カンボジア問題政治学基礎ゼミ」に入っていた。ちょうどカンボジアで暴虐の限りを尽くしたポル・ポト政権が、ベトナム軍の介入により打倒された頃である。

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最終的な目標は…

 学生時代にはまた、朝日新聞のコラム「天声人語」で、北海道・知床を乱開発から守るべく有志の手で民有地を買い占めようという運動の存在を知り、共鳴すると、友達と一緒に一口8000円で100平方メートルの土地を購入し参加している(宮崎美子『「生きもの」への礼儀』光文社、2000年)。それが大学3年のときで、『週刊朝日』の表紙モデル募集を新聞広告で知って応募した時期と重なっているのが面白い。彼女はこれをきっかけとして、芸能界に入ってからも自然保護活動に取り組むことになる。

 最近ではドラマなどで祖母の役を演じる機会も徐々に増え、俳優として《最後は何も語らず縁側でちょこんと座ってひなたぼっこをしているおばあちゃんを演じたい》と目標を掲げる宮崎だが(『婦人公論』2022年8月号)、環境問題などがより切実になっているいまだからこそ、社会に対する活動にも期待したいところである。