満足している虎ファンはどのくらいいるのでしょうか。助っ人ロサリオの成績に。先日のドラゴンズ戦では猛打賞の活躍をみせたものの、これまで(4月19日現在)16試合を消化して、打率は.258。ホームラン1本に打点7。得点圏打率は.286と決して高いとは言えない数字にとどまっています。

 これだけを見れば、寂しい気がしないでもないのですが、正直言ってここまでのロサリオに私は大満足なのであります!!

「どこが?!」

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 そう思った虎ファンのみなさん! 一度数字から離れて、ロサリオの表情や行動をよーく見てください。

ザ・真面目な男の1日

 毎日早く球場入りするロサリオの1日は、ぬるま湯につかることから始まります。そのあとジムで体を動かし、マシーンでバッティングをしてからチームの練習に向かいます。体をスムーズに動かすためのこだわりの調整方法だといいます。試合前もただの練習では終わりません。

 今月11日。甲子園での広島戦。試合前練習でロサリオは片岡ヘッド兼打撃コーチとバットでグラウンドに線を引きながらなにやら話し込んでいました。元々軸足の右足を少し動かしながら打つロサリオですが、少し動きが大きすぎるのではないかという事でこの日は片岡コーチと確認作業をしていたとのこと。この光景は決して珍しいことではありません。

 とっても「真面目」なロサリオは、気になったことは逐一コーチに確認。日々アドバイスを求め練習に励んでいるのです。

「日本野球は競争が激しいと感じているよ。メンタルを強く、戦う姿勢を持って毎日臨んでいるよ」

 MLBコロラド・ロッキーズで正捕手、韓国ハンファ・イーグルスでは2年連続3割30本100打点を記録するなど成績を残してきたロサリオですが、日本野球のレベルは高いと感じているといいます。プロフェッショナルの集まりである日本で野球ができることに喜びも感じているようです。

日々コーチにアドバイスを求め、練習に励んでいるロサリオ

まるで高校球児のよう

 この日の試合は4対1で阪神が勝ちましたが、私が気になったのは8回表です。セカンドを守っていた糸原選手が失策し、その後ピンチを迎えます。マウンドに集まるとロサリオはすぐに糸原選手の肩に手を回し、言葉をかけていました。こういった光景が頻繁にみられるのです。

「日本語の勉強はまだできていない」と話すロサリオなので、もちろん言葉は通じていないはずなのですが、ファーストを守っている時も積極的に声をかけているのです。

 梅野捕手は「自分は3回までしか投手のもとへ行けないから、すぐにマウンドに行ってくれるのは本当に助かります。以前は健斗(糸原)になるべく声をかけてとお願いしていたので……言葉が通じる通じないではなくその気持ちが嬉しいし助かります」。それだけではありません。仲間がいいプレーをした時には笑顔で大きな声を出しチームを盛り上げるのです。その姿はまるで高校球児のように私の目には映ります。