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巨人ファンは「2018年の長野久義」に何を求めるべきなのだろうか?

文春野球コラム ペナントレース2018 テーマ「長野」

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それでも僕らが背番号7を応援する理由

長野久義は「恐怖の7番バッター」として戻ってくることができるか ©文藝春秋

 ……と、熱く語ってきたが、ここまで読んでテーマ指定メールの「長野」って、“チョーノ”じゃなく24日に巨人対中日戦が行われる“ナガノ”のことなんじゃ……なんて真っ当な突っ込みは野暮だろう。時に正論は元気を奪う。例えば「長野五輪」という単語も超薄目で眺めたら、なんとなく「5番長野」に見えないこともない。そんな苦しすぎる言い訳をかましてまで、どうしてもこのタイミングで背番号7のことを書いておきたかった。

 振り返ると、懐かしの小笠原道大とラミレスの破壊力抜群オガラミコンビからスーパーキャッチャー阿部体制へ。さあ次は坂本勇人・長野でサカチョーのチームの予定だったから、由伸監督もファンもそのレベルを求めていた分、落胆は大きい。それでも個人的にまだこの男に期待している。ここ数年、たまに目の覚めるホームランをかっ飛ばし、終わってみれば打率2割7分、15本塁打前後の成績は残していた。衰えたと指摘されつつ、ポテンシャル的には巨人外野陣でトップクラスだったわけだ。

 みんなは覚えているだろうか? 入団後数年間の長野の輝きを。球場でこの選手を見れたらチケット代の元が取れる、そんな圧倒的な才能の煌めきを。阪神のマートンと首位打者争いを繰り広げた11年ペナント終盤、東京ドームの一塁側観客席は背番号7のヒット一本に絶叫して熱狂してガッツポーズやハイタッチをかましていた。そう、今の巨人ファンが吉川尚輝や岡本和真のプレーにドキドキしているように、26歳の長野のプレーを心から楽しんだはずだ。少なくとも、俺はあんたの才能にたくさんの元気を貰ったんだぞ。だから、今こそ応援する。

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 あの頃、信じた「4番センター長野」プランは残念ながら幻に終わりそうだ。でも、完璧な未来などない。完璧な過去が存在しないように。現在、ジャイアンツのチーム打率.272はリーグトップ。そこに若手の吉川や岡本を後方支援するベテラン長野久義が「恐怖の7番バッター」として戻ってくるのを楽しみに待ちたい。

 そう言えば、若かりし日の坂本や長野をそんな形でサポートしていたのがベテラン高橋由伸だったな…なんて思い出しながら。

 See you baseball freak……

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