9月30日午前7時ごろ、兵庫県宝塚市のマンションに住む宝塚歌劇団宙組の劇団員・有愛きい(25)が、マンション敷地内で死亡しているのが見つかった事件。

 それ以来混乱が続く宝塚は、12月5日、宙組の東京公演全日程を中止すると発表。その前日の12月4日、劇団側は宙組の全生徒を集めて、公演中止の説明会を行っていたことが「週刊文春」の取材でわかった。

亡くなった有愛きい(公式HPより)

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生徒が耳を疑うような発言が高田氏から飛び出す

「中止期間を設けて、宙組として新たにスタートしていくために何が必要なのかを、生徒一人一人が考えてほしいと思うねんね」

 12月4日、宝塚歌劇団宙組生60数名を前に関西弁でそう語りかけたのは、劇団ナンバー2の高田健司専務理事だ。

 それは、宙組生の有愛きい(享年25)の自死から2カ月が過ぎた日の出来事だった。

 村上浩爾理事長から公演中止の通達があった後、12月1日付で専務理事に就任した高田氏が挨拶した。生徒が耳を疑うような発言が飛び出したのは、公演中止を詫びた直後だった。

中止になった宙組公演

今まで見て見ぬふりだったのに、問題が起こったら生徒のせい

「よく劇団と生徒って言い方をするけど、劇団にも問題がある。生徒側にもいろんな問題があったと思う。これは決して宙組だけの問題ではなくて、109年の間、宝塚歌劇団の稽古場は、生徒、スタッフ、劇団という、非常に微妙なバランスで成り立っていたと思うんですよ」

 宙組生の一人が憤る。

「今まで見て見ぬふりして助けてくれなかったのに……問題が起こったら生徒のせいにするなんて」(劇団側に発言の意図を問うと「そのような(生徒のせいにする)意図の発言はございません」と回答)