投資をしたいけれど、一体何から手をつければいいのか分からない……。そんな初心者に向けて日本トップの投資アドバイザー集団を率いる福田猛氏が上梓したのが『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)だ。ここでは初心者が近寄ってはいけない“テーマ型商品”について本書から一部抜粋、再構成してお届けする。(全2回の前編/続きを読む)
テーマ型商品は形を変えて生まれては消えていく
ここまでで、[全世界株式の投資信託×積み立て投資]の組み合わせがいかに最強なのかは、理解していただけたのではないかと思います。
もしかするといつか、「自分でも商品を選んでみたい!」という気持ちになるかもしれません。そんなとき、臆病な投資を長く続けるためには、いくつか注意点があります。
このPART4では忘れてはいけないルールをご紹介します。
ルール1 絶対に買ってはいけない「テーマ型」投資信託
私は長年証券業界にいた経験から、「テーマ型投資信託」の商品は買わないほうがいいと思っています。もし、証券会社や銀行の担当者がすすめてきたら、要注意です。
「テーマ型」とは、今が旬のテーマに投資する商品のことです。
コロナショックの時期は、ズームのようなIT関連企業に投資するテーマ型投信などが売れました。今ならAIや宇宙、自動運転やメタバースなどが旬のテーマで、テーマに合った関連企業の株に投資する商品になっています。
テーマ型の商品は毎年のように形を変えて生まれては消えていきます。
私はこれを「羊の皮をかぶった狼」と呼んでいます。近寄ってはいけない「危険」な狼なのに、見た目は羊の姿をしており、安全・安心に見えるから騙されてしまうのです。
『トム・ソーヤーの冒険』を書いたマーク・トウェインは、
「歴史は繰り返さないが、韻(いん)を踏む」
という言葉を残したと言われています。
これは、歴史はまったく同じことを繰り返すのではなく、韻を踏むように、少しずつ形を変えながら反復し続ける、という意味だと言われています。
テーマ型はまさにその通りで、形を変えながら反復し続けているのだと、私は感じています。形を変えてはいても、いつか暴落するという結末は同じです。