FAANGだって安心じゃない
今、売れている商品が3年後や5年後も売れているとは限りません。
ブームはいつか終わります。ブームになっている商品より、普遍的なテーマの商品のほうが長く保有していられます。
2014年にシェールガス関連のファンドが人気を集めました。
エネルギーを制する者は世界を制すると言われています。当時は、シェールガスが注目され、アメリカは「シェールガス革命」によってエネルギーの輸入国から輸出国に変わり、すごい恩恵を受けるだろうとメディアで騒がれていました。
そんな波に乗って、2014年はシェールガス関連のファンドが多数発売されました。人気もうなぎのぼりで、「シェールガス関連のファンドを買ったら儲かる」と多くの人が期待していましたが、ピークはあっという間に訪れました。
2014年は右肩上がりだったのが、2015年に入ると下落する一方。そのあとは持ち直したら下落し、持ち直したら下落し、の繰り返しで最後は暴落しました。
また2021年頃は、FAANGの銘柄をすべて含んだ投資信託が人気を集めました。日本ではGAFAガーファという呼び方が一般的ですが、海外ではそれにネットフリックスを加えてFAANG(ファング:Facebook / Amazon / Apple / Netflix / Googleの5社)と呼ばれています。
この5銘柄の時価総額の合計は、2021年末には日本の東証一部の上場銘柄、二千数百社の時価総額合計の1・5倍までになりました。これは1980年代後半に、JR山手線の内側の不動産価格でアメリカ全土が買えると言われたことがあったのとよく似ています。
株式市場は「FAANG頼り」になりましたが、ここに投資していれば安心というわけではないという点は知っておいたほうがいいでしょう。
2022年にアマゾンの株価は約50%暴落しました。
FAANGのようなけた外れの時価総額をたたき出している企業が、リーマンショックのときに槍玉に挙がったウォール街の金融機関のようにバッシングされる可能性もゼロではありません。何らかの理由で大きく落ちることもあるので、「絶対安心」な銘柄はないのだと思ってください。