投資初心者でも正しい知識と良い金融商品を購入すれば少しずつ確実に資産を増やすことができる――そう語るのは日本トップの投資アドバイザー集団を率いる福田猛氏。彼が上梓したばかりの新著『この世でいちばん臆病な投資生活』（サンマーク出版）から一部抜粋、再構成し初心者が行なうべき投資方法をご紹介する。（全2回の後編／前編を読む）
売れている商品より売れ続けている商品を
ルール3 人気ランキングを信じてはいけない
私たちは知らず知らずランキング情報の影響を受けています。
たとえばレストランを探すとき、食べログなどをチェックして、「高評価のお店ならおいしいに違いない」と思い、行ってみたら「ん？」となることもあります。投資信託も人気ランキングはあります。
正直なところ、私たちのように投資信託をずっと見てきた者からすると、ネットに出ている人気ランキングはまったく当てになりません。
ランキング情報はむしろノイズ（雑音）のようなものです。長期運用には役立ちません。そのランキングに並んでいる商品は、現在のパフォーマンスがいいものばかりです。5年後や10年後に良い結果になるという意味ではありません。最近なら、ブル・ベアファンドという商品が上位にランクインしています。ブルとは上昇相場のことを意味し、雄牛（ブル）が角を下から上に突き上げている姿に由来しています。対するベアとは下落相場を意味し、熊（ベア）が手を上から下に振り下ろして攻撃する姿から名付けられました。
この商品は、先物などを活用してレバレッジ（てこの原理）をきかせて、投資資金の何倍
もの利益を得ることを目的にしています。投資信託と言っても、日によって値動きが激しいので、資産運用には向かないファンドです。それでも人気が高いのは、大きなリターンを狙っている人たちが買っているのでしょうが、そんな流れには巻き込まれないように。
売れている商品を買った時点で、すでにブームの後追いで、高くなっているものを買わされるのだという点に注意しておいてください。
臆病な投資に必要なのは、今売れている商品ではなく、長く売れ続けている商品なので、ランキングを見る必要はないのだと覚えておきましょう。
