買ってはいけないNG商品とは
ルール4 「分配型」はNG! 巧妙なワナに騙されてはいけない
投資信託の初心者は「毎月分配型」をすすめられることがあります。
その名の通り、「毎月いくらかの分配金を受け取ることができる商品」で、毎月キャッシュが入るのはお得なような気がします。
定年退職後のシニア世代にとって、貯金が減っていく生活は不安なものです。だから、年金にプラスして「分配金」を受け取りたいと考える気持ちもよく分かります。
しかし、分配型は買ってはいけないNG商品の1つです。投資の世界は、「いい」と思われているものが、実は良くないという例が山ほどあるので、あちこちにワナが潜んでいるのだと思ってください。
問題点1 元本が削られている
分配金は、必ずしも運用した利益から分配されているとは限りません。実際は運用益からではなく、元本を取り崩している商品が多いのです。
つまり、10万円投資をして、1万円の分配金を受け取ったとしたら元本が9万円になっているわけです。
そもそも投資信託の分配金は、一般的にイメージできるような「配当金」や「利息」のように、元本とは別に払われるものではありません。「元本払い戻し金」と表現したほうが実態に近いでしょう。運用しながら毎月一定額を取り崩したい人以外は、やめたほうがいいです。
問題点2 資産の増え方に差が出る
結論から言えば、毎月分配型は、「複利運用効果」が得られません。
たとえば、利回り年5%の投資信託があったとして、それに1万円を投資します。すると、1年後には1万500円になります。翌年は「1万500円」を新たな元本にした運用ができます。すると“利息が利息を呼ぶ”と言われる複利効果が生まれます。
けれど毎月分配型は、「1万500円」から数百円を分配に回します。すると、複利効果が得られないどころか、元本が減っていくことすらあるわけです。これでは、資産運用は夢のまた夢です。
「元本が削られても良い。一定額を取り崩しながら運用したいんだ」
もし、こう考えている方がいたとしても、毎月分配型の投資信託を選ぶ必要はありません。
楽天証券等では投資信託を購入した後、「定期売却」ができます。自分自身が必要な金額を取り崩しながら運用できるのです。人によっていくら受け取りたいかは異なりますので、運用会社に「分配金」を機械的に決められるのではなく、「毎月1万円を取り崩そう」などと自分で決めるほうが良いでしょう。良い投資信託を購入し、取り崩し設定をしたほうが、毎月分配型を購入するよりもおすすめです。