2024年10月、居酒屋大手・ワタミがサンドイッチチェーン「サブウェイ」の日本事業を買収すると発表した。今年の2~3月にかけてフラッグシップ店舗を出店し、今後の店舗展開のモデルにするという。

 では、ワタミが買ったサブウェイ、今はどんな感じなのだろうか。ワタミに買収されたことでなにか変化はあるのか。実際に店舗を訪れながら考えてみた。

 結果わかったこと。「ワタミによる大きな変化はまだ見られないけど、昔のサブウェイからすると、ものすごく変わっていた」ということだ。

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店舗外観がおしゃれな感じだぞ?

 買収のニュースを聞いて気づいたのだが、しばらくサブウェイに行ってない。高校生のときは学校の近くにサブウェイがあったからよく行っていたのだが、それから10年ほど。めっきり行っていない。調べてみたらサブウェイは私が行かなくなったちょうどその時期、2014年に店舗数がピークだった。その数、約500店舗。そこから店舗は減少し続け、現在は180店舗ほどだ。その様子はずいぶん変わっているかもしれない。

 さっそく私は家からもっとも近い店舗に足を運んでみた。まず驚いたのは、その外観。なんか、以前より「オシャレ」な感じになっているのだ。

街中で発見すると一際目立つ。こんな緑色でしたっけ?(筆者撮影)

 さらに驚いたのは、その中。でかでかとデジタルボードがある。

知らないうちにDX化していた(筆者撮影)

 DX化は注文方法にも。私が訪れた店舗はセルフレジ方式で、タッチパネルでサンドイッチを選んでいく。野菜を多めにしたり、あるいは抜いたり、といったアレンジもタッチパネル上で出来る。

こういう風にメニューを選んでいく。タブレット注文に慣れていれば操作は難しくない(筆者撮影)

「初見殺し」と言われる注文方法に変化が

 サブウェイの注文といえば「店員さんに注文を口頭で伝える」方式だった。サンドイッチの種類を選んで、パンとソースの種類を選び、野菜のトッピング変更を伝える……、と「初見殺し」ともいわれる注文だ。

 サブウェイはもともとアメリカ発祥で、かの国では店員と客とのコミュニケーションは日常茶飯事。というわけで日本でもその方式が踏襲されたわけだが、これが日本だとなかなかハードルが高い。牛丼文化よろしく、必要最小限の言葉のやり取りで済ます。いちいち全部オーダーなんてしていられない。サブウェイが日本でそこまで流行っていないのは、このアレンジ式オーダー方法が浸透しなかったからでは? という説もある。

 実は2019年ごろからサブウェイは、こうしたセミセルフレジ方式などを取り入れた新しいデザインの店舗を増やしている。これは、世界共通の店舗デザイン「フレッシュ・フォワード」というやつらしい。このデザインを取り入れた1店舗目は渋谷の桜丘に誕生し、その後着実にこのデザインの店舗数は増えている。

池袋にある「フレッシュ・フォワード店舗」(筆者撮影)

 私が今回実食に訪れた店舗は、完全にこのデザインに忠実というわけではなかった。しかし、デジタルサイネージやセミセルフレジは、この店舗デザインの特徴の一つである。