かつて視聴率のためなら、何でもやったテレビのワイドショー。ところが、何でもござれのワイドショーにも触れてはいけないタブーが…。生前、芸能リポーターの梨元勝が漏らした「芸能界のタブー」を、報道カメラマンとして活躍する橋本昇氏の新刊『追想の現場』(鉄人社/高木瑞穂編)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

生前の梨元勝氏が漏らした「芸能界のタブー」とは? ©橋本昇

「ジャニタレをいじると、出演を断ってくる」

「SMAP」の稲垣吾郎が警察官に免許確認を求められ、逃走して逮捕されるという事件があった。週刊誌はこの事件を報道したが、ジャニーズに忖度したワイドショーは取り上げなかった。

 この件を入院中の梨元氏に聞くと、「ジャニタレのゴシップをいじると、ジャニー喜多川が所属のタレントの出演を断ってくる。それを恐れて民放は知らんふりをするわけだ。それを僕はおかしいと言っているんだが……」

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 事実、梨本氏はワイドショーでジャニーズ事務所のタレントを特別扱いにしなかった。あのジャニー喜多川の少年への性加害事件を10年以上前に唯一レポーターとして取り上げていたのが彼だった。日本のマスメディアで取り上げたのは『週刊文春』だけ。イギリスの「BBC」が取り上げるまで他は知らん顔だった。