「ボールダー警察が、犯行現場で採取したDNAを新たに検査したら、我々が彼らに送る女孫の元夫のDNAとミトコンドリアDNAの両方にマッチするものを見つける可能性が高いと思う」
とクラーク氏は自信を示す。男孫については、自殺したことから、DNA検査用の検体を得られていない。
しかし、クラーク氏はどうやって重要参考人と考えられる7人を絞り込んだのか? そこにはクラーク氏のある調査アジェンダがあった。
犯行を物語るジョンベネの口に貼られた新品のテープ
「私は、重要参考人リストから、犯人ではないと考えられる人物をどんどん排除していく調査方法を取っています。そして、排除できない人物をリストに残し、調査を続ける。その結果、我々が特定した7人については、どうしても排除できないと判断するにたる理由を見つけたのです」
例えば、それは、ジョンベネの口に貼られていた新品のテープだったという。そのテープは、ノースカロライナ州で製造され、ボールダーの卸業者があるキャンプ店に卸したものだったが、そのキャンプ店では当時女孫の元夫がRV修理部門で働いていた。つまり、女孫の元夫はジョンベネの口に貼られていた新品のテープを入手しやすい環境にいたわけである。
また、ジョンベネはスタンガンで電気ショックが与えられた可能性があるとされているが、女孫の元夫の父親は電気関係の仕事をしていたので、彼は扱い方がわかっていたと推測した。
それに、7人の重要参考人のうち数人はドラッグ・カルテルとも関わりがあったという。ドラッグ・ディーラーは取引の際にスタンガンを使うことも多いので、彼らは使い慣れていた可能性があると考えた。
同様に、クラーク氏は、女孫も調査対象のリストから排除できなかった。それは、犯行現場で撮影されたジョンベネの遺体の写真を拡大して分析した結果、ジョンベネの手のひらに、描かれてから時間があまり経っていないと思われる、鮮明な赤いスマイル・フェイスがあるのを見つけたからだ。ジョンベネは自分で手に何かを描いたりするような子供ではなかったと、ジョンベネの母親パッツィーが話していたということから、描いたのは女孫ではないかとクラーク氏はみている。そう考える理由について、クラーク氏はこう話す。