1996年のクリスマスの翌日、1人の少女の遺体が、米コロラド州ボールダーにある豪邸の地下室で発見された。少女の名前はジョンベネ・ラムジー、6歳。ジョンベネは当時、美少女コンテストで優勝を重ねていたセレブだった。父親は当時コンピューター関係の会社を経営していた地元の名士、母親も若き日には美人コンテストで優勝を重ねていたことで知られていた。
アメリカはもちろん、世界中が注目した“ジョンベネ・ラムジー殺害事件”から27年。今、殺人犯の特定に繋がる新たな証拠が、捜査を行っているボールダー警察に送られようとしている。
「これは事件を解決する証拠になる!」
そう太鼓判を押すのは、その新たな証拠をボールダー警察に送ろうとしている私立調査員のロスコー・クラーク氏。昨年に続き、筆者は、調査状況について同氏に話をきいた。
7人の重要参考人。果たしてジョンベネを殺したのは…?
クラーク氏は、9年前から、調査チームとともにこの事件を独自調査している。その経緯や調査内容については、1年前の拙記事「《だれがジョンベネを殺したのか》犯人は両親? それとも地下室に住み、ジョンベネに異常に執着するバツ4の男? 事件を追う私立調査員が出した結論は」と「《ジョンベネ事件の新事実》下着に付着していた3つの異なるDNAと胃袋に残されていた新鮮なパイナップル……法医学が明らかにするジョンベネ“最期の瞬間”」で詳述したが、簡単におさらいしておきたい。
調査の結果、クラーク氏らが事件に関与した可能性がある重要参考人とみなしているのは、ラムジー家の向かいに住んでいたジョー・バーンヒルと関わりがある7人の人物だ。そのうち、実際に、ラムジー家に侵入し、ジョンベネ殺害に関与したのは、ジョー・バーンヒルの男孫、女孫、女孫の元夫(ヒスパニック系アメリカ人)の3人だと考えている。3人は、クリスマスの夜、ラムジー家の近くで行われていたドラッグ・パーティーに参加していたが、そのパーティーを抜け出し、ラムジー家に侵入してジョンベネを身代金目的で誘拐したものの、残されていた身代金要求メモを見て誘拐されたと知ったジョンベネの両親が警察に通報したため、ジョンベネを殺害したとみている。
ちなみに、この中で、男孫については、事件後、自殺をしている。ボールダー警察によるDNA鑑定の結果、“ジョンベネの下着から見つかったDNAが、ジョーか彼の親族のDNAである可能性が排除できない”とする鑑定結果が出て、それをタブロイド誌が報じたことが自殺の背景にあるとクラーク氏は考えている。