爆笑問題、橋下徹、ウエストランドらを擁するタレント事務所「タイタン」は2023年、創立30周年を迎えた。爆笑問題・太田光の妻であり、タイタン社長である太田光代氏が芸能界で生き抜いてきた半生を振り返る連載「お笑い社長繫盛記」を月刊「文藝春秋」2024年1月10日発売号で開始した。
連載第1回のタイトルは「爆笑問題の忘れられない日」。
爆笑問題の二人が後ろ足で砂をかけるように事務所を退所
「夫・太田光(58)と相方の田中裕二(59)の二人のおかげで、ずいぶんいろんな苦労をしてきました。まぁ、私は楽天的な性格なので大抵のことは引き摺らないんですけどね。
でもね、その私が絶対に“忘れられない日”というのがあるんです。爆笑問題の二人が、若気の至りから恩を仇で返すように飛び出していったプロダクションに、いよいよ戻れなくなってしまった日。あの日からタイタンが始まったようなものです」
「ビートたけしの再来」として彗星のごとく現れた爆笑問題だったが、二人は当初所属していた太田プロダクションからわずか1年半の在籍を経て、退所してしまう。
旧態依然の当時の芸能界では、引き抜き、移籍・独立はタブー中のタブー。しかも同じ年、太田光氏と光代氏は結婚しているが、光代氏は当時、旧姓でもある「松永光代」の名前で太田プロに所属する若手タレントだった。向こう見ずな振る舞いに、業界のお歴々が白い目を向けたのは言う迄も無い。
「私も大変苦しい立場に立たされました。タレントとしてプロダクションに残りましたが、実際は太田と結婚したことを報告できませんでした。言わなければいけないのはわかっているのですが、太田が後ろ足で砂をかけるように事務所を出ていった後に、『実は結婚しました~』なんて、とても言えません」