なお、食嗜好が腸内細菌によって変わるというのは、腸内細菌が脳に何らかのシグナルを送っているからではないかといわれていています。
食嗜好を腸内細菌が選択しているのか、脳が選択しているか。結論は今後の研究を待たないといけませんが、ダイエットを成功させるには、ウルトラ・プロセス・フードのような食品から離れることが大事だということです。
そのためには、腸内細菌のバランスを変えることが有効と考えられています。バランスをよくするには、食物繊維の豊富な野菜を食べるとよいといわれています。
野菜に含まれる水溶性食物繊維は、腸内細菌のエサになりますから、野菜が好きになると、腸内細菌も野菜が好きな腸内細菌に変わってくるでしょう。
また、ヨーグルトなどの発酵食品も腸内細菌のバランスを変えるといわれているので、発酵食品を摂るのもおすすめです。
中年太り解消法は「適切な運動」より「食べる量を減らす」
中年太りは、摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうことで起こります。そしてその原因は、食べすぎ(カロリーオーバー)と運動不足(活動量不足)にあります。
たくさん食べても、それ以上を消費できればよいのですが、現代のような便利な世の中では運動不足になりがちです。
運動不足が続くと、筋力が低下してやせにくい体になる傾向があります。よく、やせた後にリバウンドするという人がいますが、これを防ぐために運動が重要なのです。
ただ、運動は筋力低下を防ぐためには有効ですが、食べた分をすべて消費するには、あまり現実的ではありません。
おにぎり1個(約180キロカロリー)のエネルギーを消費するには、1時間のウォーキングが必要といわれています。運動で消費できるカロリーは意外に少ないのです。
ですから、中年太りの改善には、適切な運動も重要ですが、食べる量を減らすことがもっとも効果的といえます。
どのくらい太っているかにもよりますが、食事を減らす目安は「腹八分目」をイメージするとよいでしょう。