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「東京地検特捜部は相当の証拠固めを終えて、政治家の名前を出し始めたのだろうと誰もが思った」

「修正すればいい形式犯でうやむやにできたことを大事件に誘導していった検察に、安倍派から責任の追及を受けてもやむを得まい。」

 そして、

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「この事件は少なくとも脱税は明白。正義すらこの国は失ったか。」

 と。

検察のほかに気になるのは…

 さてこうなると検察のほかにもう一つ気になるのが新聞報道である。特に朝日新聞だ。朝日は検察の情報を元に昨年から連日一面で報道していた。はっきり言えば煽りに煽ったのである。

 以前にも書いたが、朝日は政局も絡めた見出しで張り切っていた。たとえばこれ。

『松野・西村・萩生田氏 更迭へ 高木氏も 世耕氏交代を検討 裏金疑惑 安倍派5人衆を一掃』(12月10日)

 違和感があったのは「安倍派5人衆を一掃」という部分。「一掃」ってかなりキツい表現だからだ。朝日は岸田首相がまだ否定的なうちから「安倍派を一掃しろ」と自身の願いを込めて見出しを打ったようにも見えた。「安倍嫌い」の面目躍如。

 ところが、1月13日に毎日新聞が『安倍派幹部 立件断念へ 地検特捜部』(夕刊)と報じた。何度も書くが、前日の1月12日には『安倍派 一斉訂正を検討』(読売新聞)と報道されていたからなるほどという流れである。読売新聞も1月16日に『安倍派7幹部 不起訴へ』と書いた。こうなると朝日新聞がいつ「不起訴」と書くのか楽しみとなった。あれだけ検察情報にのって書いた手前、バツが悪いに違いないからだ。

 すると朝日はようやく1月19日に『安倍派幹部 不起訴へ』としれっと書いてきた。一面で伝えているが注目すべきはこの日の一面トップだ。『岸田派・安倍派が解散検討』という大きなニュースだった。朝日は大きな話題が出るタイミングを待っていたと思うのは意地悪すぎるだろうか? 安倍派解散イエーイ! でゴマかしたと思うのは行間を読み過ぎだろうか?

 新聞がいつ何を書くか、それだけで勝手に楽しく読めるのである。