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〈アカデミー賞ノミネート〉『ゴジラ-1.0』山崎貴監督「ゴジラが目の前まで迫ってくる悪夢のようなイメージをずっと思い描いてきた」

2024/01/24

source : 週刊文春CINEMA 2023秋号

genre : エンタメ, 映画

note

――今作のドラマ部分の見どころをお聞かせください。

山崎 ゴジラに対峙する人間たちが、どんな思いで行動するかにフォーカスしました。怪獣映画では人間とゴジラが少し乖離する場合があります。あまりにサイズが大きいので怪獣は怪獣たちで戦い、人間はそれを見ているだけでうまく絡めていないという。戦後という時代なら、もっと人間たちをゴジラに絡められるんじゃないかと思って。だから、両者をどう接着するかに腐心しました。僕の映画は群像劇の中で主人公の話が際立っていく構造が多いので、今回もそれに近い物語になっていると思います。

©2023 TOHO CO.,LTD.

思い描いたものを映像にできる時代だからこそ

――怪獣映画を撮り終え、新たな目標は芽生えましたか?

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山崎 今回あらためて感じたのが、思い描いたものを映像にできる時代なんだということ。技術から逆算した表現ではなく、想像したことがそのまま形にできるようになったからこそ、どうイマジネーションを膨らませるかが大切だと実感しました。新たに見えてきたこともふまえ、また怪獣映画が作れるタイミングがあればぜひやりたいです。

やまざき たかし 1964年生まれ、長野県出身。『ジュブナイル』(00年)で監督デビュー。『ALWAYS 三丁目の夕日』(05年)で第29回日本アカデミー賞最優秀作品賞・監督賞など12部門、『永遠の0』(13年)で第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞など8部門を受賞。CGによる高度なビジュアルを駆使したVFXの第一人者でもある。

INTRODUCTION
1954年の誕生以来、日本はもとより世界中に衝撃を与え続けてきたゴジラ。生誕70周年を記念し、日本のVFX界を代表する山崎貴の監督・脚本・VFXによって、令和に甦る。日本での製作30作品目となる本作は、2023年12月に北米の映画館でも公開。

STORY
戦後、無(ゼロ)になった日本に、追い打ちをかけるようにゴジラが現れる。史上最も絶望的な状況でゴジラに襲来され、さらなる窮地へと追い込まれる日本。誰が? そしてどうやって立ち向かうのか。日本は負(マイナス)から立ち上がれるのか。

STAFF & CAST
監督・脚本・VFX:山崎貴/出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ/2023年/日本/配給:東宝/公開中

〈アカデミー賞ノミネート〉『ゴジラ-1.0』山崎貴監督「ゴジラが目の前まで迫ってくる悪夢のようなイメージをずっと思い描いてきた」

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