「誰かのために生きていく」ことの強さ
──佳原さんは、相棒であるアンディという人物をどうとらえていますか？
佳原 出会いから距離感はメチャクチャだし、粗暴で怖い人のように思えるけれど、じつはとても心の温かいキャラクターなんですよね。だから、中村（悠一）さんの声を聴いた瞬間に「あ、アンディがいる！」という（笑）。
中村さんの演技のなかに、包み込むような柔らかさがあるから、アンディの言うことに風子ちゃんは納得してしまう。その説得力は、中村さんのお声によって、より強く感じられるようになったんじゃないかと思います。
──アンディ＝中村さんと佳原さん、お2人の演技の掛け合いが、この作品のテンポ感を生んでいるように感じます。
佳原 ありがとうございます。中村さんの演技にひっぱっていただくようなかたちで、素直に風子ちゃんを演じることができました。風子ちゃんはまわりに影響を与え、与えられて変わっていく子なんですよね。だから、キャラクターを作り込んでいくというよりは、柔軟に演技することで風子ちゃんに近づけるんじゃないか、と考えていましたね。
──ほかに、大事にしたポイントはありますか？
佳原 生きていくことをあきらめていた風子ちゃんが、物語が進むにつれ、自分の意志で覚悟を決めて、誰かのために生きていくことを考えるようになるじゃないですか。それと、少しずつ変わっていくアンディへの思いを表現することで、みんなに共感してもらえる主人公になれたらいいな、と意識していました。
TVアニメ「アンデッドアンラック」MBS／TBS系全国28局ネット、毎週金曜日25:23～
『アンデッドアンラック』はアンデッド＝絶対に死ねない不死の男・アンディ。彼はアンラック＝触れた者に不運をもたらしてしまう特異体質を持つ少女・風子と出会う。ふたりは行動をともにしながら、それぞれにとっての「最高の死」を求めていく物語である。© 戸塚慶文／集英社・アンデッドアンラック製作委員会
かはら・もえ
大阪府生まれ。代表的な出演作に『現実主義勇者の王国再建記』（トモエ・イヌイ役）、『処刑少女の生きる道』（アカリ役）など。さらに『菜なれ花なれ』（2024年放送予定／谷崎詩音役）にも出演。
