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「娘2人がまだ10代で、お金もかかるから頑張るんだ」

 たった一晩で、全てが崩壊してしまった山川さん一家。一家は近隣とのトラブルもなく、評判もよかった。「なんでこんなことが……」と自宅近くの住民は、肩を落とした。

「もともとあの家は奥様のご両親が住んでいたんです。15年くらい前におばあちゃんが亡くなって、おじいちゃんが九州の田舎に帰ることになったのを機に一家4人で引っ越してきた。

現場検証のため規制線が張られた山川さん宅周辺 ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

 旦那さんは、おとなしくて、真面目なサラリーマン。奥さんは介護士をやられていて、自治会の役員も一生懸命やってくれていました。『娘2人がまだ10代で、お金もかかるから頑張るんだ』って言っていましたね。娘さん2人は、仲がよさそうで。妹さんは今は中学生、お姉さんは高校3年生。黒髪で目がぱっちりとしてかわいらしい子です」

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Aは長女と同じ高校に通い、顔見知りだった

 長女が通っている高校では、今月はじめ文化祭があったという。長女は将棋クラブに所属しながら、生徒会の役員もこなし、学内でも人気が高かったという。

「小学生の頃から可愛らしくて、イメージでいうと少女マンガのヒロインみたいな子。ボーイフレンドもいたけど、決してそれを鼻にかけるわけでもなく、男女問わず誰とでも仲がよかった。少女マンガが好きで、絵がうまかった」(長女の小学校の同級生)

全焼した山川さん宅 ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

 捜査関係者によると、「Aは長女と同じ高校に通い、二人は顔見知りだった」という。深夜3時、Aはなぜ山川さんの自宅に押し入り、火を放ったのか。警察は犯行に至った動機を調べているが、Aが犯したその罪はあまりにも重い。