宝塚歌劇団・宙組に所属する劇団員(享年25)が苛烈ないじめやハラスメントの末、自死した事件。2月23日、劇団側がパワハラがあったとする意見書の一部を認め、その見解を遺族に伝えたことが報じられた。一方で意見書には見解が異なる部分もあるとして、今後も遺族との協議を続けていくという。
11月の会見ではパワハラを“全面否定”していた宝塚。一体、何があったのか。「週刊文春」がこれまでに報じてきた記事を再公開する(初出:2023年10月19日号/年齢・肩書きは当時のまま)。
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9月30日午前7時ごろ、兵庫県宝塚市のマンションに住む宝塚歌劇団の劇団員・有愛きい(25)が、敷地内で死亡しているのが見つかった事件。
週刊文春は有愛が亡くなる前日の29日、母親に〈精神的に崩壊している……〉といった趣旨のメッセージを送っていたことを報じた(#2)。
さらに28日には、有愛は同じ宙組の上級生から「集団リンチのような目にあっていた」(宙組の生徒)ことが週刊文春の取材で新たにわかった。
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メッセージに記されていた28日に何があったのか
社会部記者が明かす。
「9月30日午前7時過ぎ、マンションの住民が敷地内の駐車場で女性がうつ伏せに倒れているのを発見し、110番通報。女性は花壇の植え込みに倒れていた。駆けつけた捜査員がマンションを調べたところ、通路に彼女の所持品と思われる手提げ鞄を発見し、身元が判明した」
有愛が所属する宙組の公演「PAGAD(パガド)」が初日を迎えたのは、死の前日である9月29日。その日、有愛は普段と変わらず舞台に立ち、帰宅したという。だが、前述の通りこの日、有愛は母親あてに〈精神的に崩壊している……〉といった趣旨のメッセージを送っていた。
一体何があったのか。
今回新たにわかったのは9月28日の出来事だ。この日は翌日から開幕する宙組公演「PAGAD」の通し稽古が行われた。