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「まだ怒っとるんか? 僕のこと怒っとるわけ?」

 町長は女性職員に対し、こう要求している。

「ちょっと下向いてみ、大丈夫か、見えへんか」

「ちょっと俯いてみいよ。ちょっとだけ。見やあせんで。見やあせんて!」

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 戸惑う女性職員に対し、さらに町長はこう話しかける。

「まだ怒っとるんか? 僕のこと怒っとるわけ?」

「いや怒んないで、そんなことで僕に対して」

町長のあいさつ(岐南町ホームページより)

 小島町長に関するこれまでの告発内容について、労働法やセクハラの問題に詳しい向井蘭弁護士はこう解説する。

「基本的に目的もなく身体に触るのはセクハラです。下着のラインを指摘したり、胸元が見えるか確認するため屈むように指示するのももちろんアウト。なおかつ、町長室内という密室でこうしたことが行われれば恐怖感を与える。また『彼氏がいるのか』、『結婚は』と聞くのも業務に関係がないのでダメです。セクハラの認定は基本的に、社会通念に基づいて決まりますが、そのボーダーラインが年々厳しくなる中、『親密になるため』などという言い訳は通用しません」

 実際にセクハラ被害に遭った女性職員の一人はこう語る。

「騒動以降も町長は今も出勤し続けており、多くの職員が苦痛を感じている。役場は第三者委員会で事実関係が明らかになるまで、町長の出勤を停止するなどの対応をする気がないのか、はなはだ疑問です」

 役場を通じて町長に質問すると、以下の回答があった。

岐南町役場

――セクハラ行為について、職員に対するきちんとした謝罪が行われていないという声がある。

「被害者を特定するつもりはありませんので、6月6日付けの職員用掲示板において、全職員に向けて謝罪文を掲載しました」

――複数の職員がセクハラについて記録を取っているが。

「記者会見や取材でもお答えしているように、激励や服装の乱れを指摘する意図での行為でした。不快感を与えてしまったことは申し訳ないと考えておりますが、セクハラの意図は一切ありませんでした」

 また、町長がこれまで通り出勤していることについて、役場はこう回答。

「町政を停滞させないために、町の執行機関の責任者である町長は、出勤する必要があります。ただし、町長と職員の接触は、必要最小限な場合にしております」

 岐南町は女性職員のさらなる告発をどう受け止めるのか、今後の対応が注目される。

 現在配信中の「週刊文春 電子版」では、小島町長が地元の自治会長会議で質問された際に釈明した内容や、全職員に向けた驚くべきメッセージ、小島町長を直撃した際の一問一答の内容など、今もなお混乱が続く岐南町の様子を詳しく報じている。

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