日頃から健康に気をつけて、「体にいい」とされる生活習慣や食事に気をつけている人が多いのではないだろうか。
だが、医学や健康の常識は、どんどん変わっている。昨日まで正しいと思われていたことが、いつの間にか誤りとなっていることも少なくない。古い知識のままで、間違った習慣を続けていると、かえって健康を損なわないとも限らない。
そこで、最新の研究成果や知見に基づき、医学と健康の新常識を集めてみた。今回は「高血圧・糖尿病・認知症」の新常識。高齢になると多くの人が無縁ではいられない病気なので、ぜひ適切な知識を身に着けてほしい。
高齢になると高血圧に悩む人が増える。高血圧による心筋梗塞や脳卒中を予防するために、様々な健康法を試している人が多いはずだ。しかし、これも思い込みで、間違ったことをしている人が少なくない。
冬、寝る前に水を飲むのはNG
まずは、水分の摂り方だ。眠っている間に汗をかいて血液がドロドロになり、心筋梗塞や脳卒中を起こすのではないかと心配で、季節に関係なく寝る前にコップ一杯の水を飲むことを習慣にしている人もいるはずだ。だが、『座りっぱなしでも病気にならない1日3分の習慣』などの著書がある池谷医院院長の池谷敏郎医師は、冬は寝る前に水を飲む習慣はおすすめできないと話す。
「夏は脱水しやすいので水を飲んだほうがいいですが、冬はほとんど脱水しません。ですから、寝る前に飲むとしても、口を湿らせる程度でいいと思います。それよりも、トイレが近くなって夜中に起きると転倒のリスクがあり、高齢者ではそちらのほうが危険です」
むしろ、失った水分を補うのには、朝起きたときのほうがいいと池谷医師はアドバイスする。しかも、冷たい水だと血圧が上がるので、朝一番はお湯や温かいお茶がおすすめだという。