酔狂者だらけの改造車オーナーのなかでも、「イベント展示」に賭ける者たちの情熱は尋常ではない。普段の利便性を犠牲にしてまで、一瞬のインパクトを追求するオーナーたちの実態に迫る!

 今回は、ハイゼットトラックをカスタムする笹沼さんをご紹介。

子育てが一段落し、カスタム趣味を再開した

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「軽トラカスタム」でつながる地元の絆

 もともとVIP系の車が好きで、20年くらい前にはクラウンマジェスタなんかに乗っていたんですよね。ただ、結婚してからは普通のファミリーカーに乗るようになって。子どもも2人生まれて、しばらくカスタムからは離れていたんです。

 それでもやっぱり、車の雑誌を見たり、ちょくちょくイベントに行ったりはしていたんですよ。昔からデコトラにも興味があったので、それ系の雑誌とか映像とかを見ているうちに、下の子もデコトラ好きになっちゃって。『トラック野郎』のDVDを何枚も買わされたりなんかしてね。

深紅のボディが眩しいハイゼットトラック

 それで、少し前に見に行ったデコトラのイベントで、たまたま地元の後輩がギラギラの軽トラを出展していたんですよ。

 いろいろ後輩から話を聞いているうちに、「一緒にやろう」という流れになって。ちょうど子どもにも手がかからなくなってきたタイミングだったので、また車弄りを再開してみようかなと。

商用車のエアロパーツ製作で知られるK-BREAKのフルキット

 それから去年の3月にこのハイゼットを買って、ノーマル状態から3ヶ月ほどで仕上げてもらいました。カスタム費用は300万円くらいですかね。軽トラは珍しいからと、ショップの方でかなり融通を利かせてくれて。

フェラーリの跳ね馬を反転させたエンブレム。下部にはエアロメーカーのイニシャルが

 フェラーリのエンブレムは……単純に、フェラーリのような車にしたいと思ったんですよね。よりスポーツカーっぽくなるように、今年のうちに荷台をカバーでふさいで、リアにGTウイングも付ける予定です。

 ありがたいことに、妻はすんなり車弄りを認めてくれました。おそらく妻としても、「地元の関係を大事にしてほしい」という気持ちがあるみたいですね。

赤を基調にアクセントカラーとしてピンクをあしらう

 下の息子は小6になりますが、やっぱりこの車のことも気に入ってくれていますね。休みの日には一緒にイベントに出かけたりもしていますよ。

 中3の娘は……まるっきり逆の反応ですね。一度だけ乗ってはくれたのですが、「乗り心地悪すぎ、二度と乗りたくない」と言われてしまって。なので家族で出かけるときは、もっぱら足用のファミリーカーです。

もともとデコトラに興味があり、後輩の誘いで軽トラのカスタムに

 それでもやっぱり、こういう車に乗っていることで交流も増えますし、車弄りはまだまだ続けていきたいですね。