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“元カレ”が詐欺で逮捕されるトラブルを乗り越えて結婚&2度の出産

 女優としてのキャリアは順調満帆だった一方で、プライベートでは意外にお騒がせな面もある。

 20代前半から4年間交際していたイタリア人の実業家ラファエロ・フォリエリと2008年に破局。直後に、ラファエロは数億円を投資家などからだまし取り、詐欺やマネーロンダリング等14件もの罪状で警察に逮捕され、有罪判決を受けた。

 ラファエロ一味はだまし取った資金を高価な服やレストランでの食事などの遊興費、高級アパートの家賃、さらに近しい人間の医療費やプライベート・ジェットのチャーター代などに使っており、元恋人であるアンも事件への関与が疑われたのだ。

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東京でのイベントに出席したアンハサウェイ 本人インスタグラムより

 後にアンの父親が、俳優のザック・ブラフをラファエロと見間違えて殴りかかったというエピソードもあり、気丈に見えるアンもこの一件ではかなりのダメージを受けた。

 それでも29歳で俳優のアダム・シュルマンと婚約し、30歳の時にゴールイン。34歳で第1子を、36歳で第2子(どちらも男児)を出産している。

 結婚後のアンは女優に収まらない才女ぶりを発揮するようになり、34歳の時には『シンクロナイズドモンスター』という怪獣映画の主演とともに自ら製作総指揮を取った。

シンクロナイズドモンスター

 この映画は“大怪獣バトル”と“ダメウーマンの成長”を同時に描くという異色作。アンの役はほぼアルコール依存症で、同棲中の彼氏から追い出されて実家の田舎町に戻って更生を誓うものの、結局は酒びたりの日々に逆戻り。その矢先、ソウルに巨大怪獣が出現して暴れ回り……といういわゆるB級コメディだ。

 アンのキャリアにまったくないタイプの映画だったことに加えて、「アンが怪獣映画なんて」と、呆れて反対もされたという。しかし本人はあっけらかんとこう話している。

「こういう映画をずっとやりたかった。『マルコヴィッチの穴』(99年)や『リビング・イン・オブリビオン/悪夢の撮影日誌』(95年)みたいな感じ。脚本の中で起きる魔法だと思えば深く考える必要はないのよ。そういう世界だと受け入れるだけ」

「“ヨーロッパ式の怪獣映画”って感じ」

 この映画は残念ながらアメリカでも日本でも大ヒットしたとは言えないが、いかにも「キャットウーマンが大好き」というアンらしさが爆発していて一部でカルト的な人気を得たとも言われている。

 2人の子どもを出産し40歳を超えたアンが、また想像もしない一面を見せてくれるのが楽しみだ。