コロナ禍でアルバイトができなくなり、経済的な打撃を受けた大学生のなかには、生活のために体を売る選択をした女子大生も少なくないという。彼女たちは、なぜ風俗嬢となったのだろう。そして、どんな厳しい状況に置かれているのだろうか? 

 ここでは、ノンフィクションライターの中村淳彦氏が、女子大生の貧困と性産業の関係に迫った書籍『ルポ 女子大生風俗嬢』(宝島SUGOI文庫)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の2回目/1回目から続く

写真はイメージです ©AFLO

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太っているので単価が高いところは無理

 高校3年のとき、将来は高齢者介護か保育か迷った。資格が欲しいと思ったので、結局、社会福祉士養成の大学に進学する。

「資格も欲しいと思ったけど、東京に行きたいと思ったので、無理して進学しました。貸与型奨学金を年100万円ぐらい借りることにして、奨学金は全部学費に充てています。あとはバイトで稼いで生活しようって。家賃と生活費で最低13万円くらい必要。上京してすぐに飲食店を掛け持ちでバイトしたけど、やっぱり全然お金が足りなくて、夏前に風俗始めました。最初は激安デリヘルみたいなところに行って、それからピンサロです。ピンサロは大塚以外にも、巣鴨とか五反田とか、いろいろ行きました。安い店ばかりなのは私、太っているので単価が高いところは無理かなって」

デリヘル面接で初めての性体験

 初めての性体験はデリヘルに面接に行った時。ラブホテルに連れていかれ、店長から講習を受けた。風俗店の講習はスタッフを男性客と想定してサービスをする。

「処女だって言ったら、最初から発射までやりました。普段は発射までやらないらしいけど、まったく経験がないんだからやろうと。最初は男性の裸とか男性器とか、やっぱり気持ち悪かった。触るどころか見るのも抵抗があって、しばらく嫌々やってました」

 大学に行きながら月13万円を稼ぐのは、風俗しかなかった。