「オーボエ奏者としてのプライドもあるので、いつまでも“そっくりさん”ではいられません」

 オーボエ奏者として素晴らしい才能を持つ一方で、運命のいたずらか「葉加瀬太郎のそっくりさん」になってしまった最上峰行(もがみ・たかゆき)さん。インタビュー後編では、「葉加瀬太郎さんの魅力」から「これからの展望」について聞いた。(全2回の2回目/前編を読む)

“葉加瀬太郎そっくり”になったことで、その後の最上さんの人生はどう変化していったのか――?(写真:葉加瀬太郎さんInstagramより)

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いたし方なく「太郎さんのフリ」をしたことも…

――太郎さんに似たことで、日常生活に変化はありましたか?

最上峰行(以下、最上) 以前よりも人目を気にするようになりました。テレビでそっくりさんとして出演すると、よくそのレポート記事がネットに掲載されるんです。そこでのコメント欄を覗くと、なんと僕の目撃情報が書かれたりしていて。だから色々気をつけないといけないなと思いました。

 もしかすると僕を見かけて太郎さんだと勘違いしたままの人もいるかもしれません。太郎さんは僕の尊敬するミュージシャンなので、迷惑をかけるようなことは絶対にしたくありません。

――太郎さんと間違って声を掛けられる度に、訂正するのは大変なのでは?

最上 かつて一度だけ、太郎さんのフリをしたことがあります。急ぎのときにおじいちゃんが僕の腕に手を添えて、とても澄んだ目で「応援しています!」と言ってくれたんです。あんな目で見られたら「違います」とは言えなくて、「ありがとうございます」としか返せなかったこともありました。

――内面の変化はありましたか? オーボエはとても繊細な楽器だと聞きます。それを吹く最上さんもとても真面目な性格なのかなというイメージでしたが、実際お話ししてみると、とてもおおらかで明るい方ですよね。

最上 いやいや、僕はどちらかと言えば神経質で、心配性ですよ。オーボエを吹いているときは、なおさらです。でも太郎さんに「間違えられる事があるかも」という自覚を持つようになってからは、以前よりも笑顔でいなくちゃと思うようになり、少しおおらかになってきたかもしれません。

――最上さんから見た葉加瀬さんの魅力はどんなところですか?