写真家・安藤政信の“強み”とは
俳優としては、1996年に北野武監督映画『キッズ・リターン』でデビューして以降、30年近く被写体としてカメラの前に立ち続けてきた安藤政信。その経験がフォトグラファーとしての強みにも繋がっている。
「俺は俳優として感情をコントロールする仕事をしているし、人を見続けてきたから、他の人の喜怒哀楽の微妙なバランスとか感情を見ることができる。だから被写体の感情を掬い上げた写真を撮ることができると思っています。被写体の感情と自分の感情を組み合わせて、ドラマチックにも撮れるしダークにも撮れるし。それは自分がいろんな役を演じてきた強みとして生かしたいなと思います」
話題作への出演が続く安藤だが、今後は俳優の仕事を減らしてでも写真家としての活動を増やしたいと語る。写真への注力は、安藤自身の“生存戦略”でもあるという。
「日本の俳優って年を取るとお爺ちゃん役とか学校の先生役とか役柄が狭まっていく。作品が若者中心になっていくのは仕方ないんだけど、そうなっていく中で自分のクリエイティブを持っていると大きいなと思います。何か別の特技があったら全然違う分野に軸を作ることもできるのかもしれないけど、せっかく 28 年間くらいクリエイションの現場を見てきたし、写真も好きだから、写真を一つの軸にしていきたい。俺は現状、役者としてのオファーが9割あるとしたら写真の仕事のオファーは1割もないんだけど。でもそこの比重は、半分以上に変えていきたいなって。目標はフォトグラファーとしてグローバルに活動すること。とにかく本気で撮っているので、多くの人に見ていただきたいなと思います」
等身大の広瀬アリスを安藤政信が写した「原色美女図鑑」は、現在発売中の『週刊文春』(4月11日号)でご覧いただける。人気俳優2人が全力で互いに向き合って創られた作品をお見逃しなく。
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