文春オンライン

スポーツ新聞が量産する「コタツ記事」書き手の正体は…? “本当の問題点”を考える

2024/04/16
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 こたつ記事の問題点として、

・労力をかけずにPVを狙うこと
・報道機関に求められる「価値判断」や「検証」といった役割の放棄
・検証しないまま報じることでうそや間違いを拡散させてしまうこと

 などを指摘している。

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 その一方、「こたつ記事はやめたいが、PVは必要。どうすればいいのか」と悩むスポーツ紙関係者の声も載っていた。

プロの記者が書いているのか?

 スポーツ新聞好きな私は、本当にプロの記者がこたつ記事を書いているのかとずっと半信半疑だった。もしかしたら外部発注しているのでは? とも想像していた。なので、今回文春オンライン編集部経由でスポーツ新聞関係者に聞いてもらった。すると、

「ウチは外注などなく全て記者が書いています。次の日の会議で主な記事のページビューが発表されるのですが、誰が書いたかまで発表されます」

 という答えが返ってきた。やはりこたつ記事はプロの記者が書いていたのである……。「PV獲得」のためにお仕事として割り切っているのだろうか。

 私がこたつ記事の問題点だと考えるのは「取材せずに書ける」とか「誰でも書けそう」という部分ではない。「で、この件についてあなたはどう思うの?」という部分だ。

※写真はイメージです ©beauty_box/イメージマート

 ここで紹介したいのが「週刊文春」で能町みね子氏が書いていたコラムである(2023年12月7日号)。能町さんの連載「言葉尻とらえ隊」は、ニュースやCM、芸能人のブログやXなどで見聞きした一言を調べ、掘り下げている。

 能町さんは次のように書いていた。