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スポーツ新聞が量産する「コタツ記事」書き手の正体は…? “本当の問題点”を考える

2024/04/16
note

「最高のコタツ記事」を目指す

《以前から私は冗談で、私自身のこの連載について「最高のコタツ記事を目指す」と言っていました。実際、私はネットを掘り起こして論考を加える手法なので、コタツから出ずにコラムを作れる。今後、私みたいな手法のものをコタツ記事と呼ぼうよ。》

 そして、

《じゃあスポーツ紙のあれは何かというと、やはり「盗用」あるいは「剽窃」でしょう。犯罪っぽい名前にしないと止まらないよこれは。》

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 そうそう、こたつに入ったまま書けるから悪いんじゃない。論考や論評がないからダメなのだ。やはりここでも指摘されている。私は能町さんと今年3月にトークライブを行ったのだが、その時にこたつ記事の話も出た。

 ネットを掘り起こして論考を加える“能町手法”には常々敬服していたので、まさにプロのこたつ記事だと伝えた。そして私がやっている当コラムも新聞や雑誌の読み比べが武器なので、こたつ記事であると自負している、と。

 大事なのは何を引用するかであり、見つけた記事に対する論考をどう展開するかだろう。能町さんを見習いつつ、「お互い最高のこたつ記事を目指しましょう」ということになった。

スポーツ新聞だけじゃない

 さて、最後に「(悪い意味で)究極のこたつ記事」を紹介したい。多くの方はスポーツ新聞のネットニュースをこたつ記事だと思っていないだろうか? でも上には上があるのだ。私が思う究極のこたつ記事はこれだ。

『麻生氏、上川外相の容姿に言及「そんなに美しい方とは言わない」』(朝日新聞デジタル1月28日)

 自民党の麻生太郎副総裁の講演で上川陽子外相を「新しいスター」と持ち上げる一方、「そんなに美しい方とは言わない」「おばさん」と容姿に言及する場面があったという記事。