文春オンライン

パクリ放題のウェブ記事に中国ライターが戦いを挑んで起きたカオスな事件

「漫画村」問題は氷山の一角にすぎない

2018/04/16
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 ぼちぼち腹が立ってきたのでネットを検索すると、旅行写真家の有賀正博氏のブログに「写真をパクられたら提訴して使用料をいただこう。 訴訟費用は意外に安価だよ」という興味深い記事を見つけた。

 よろしい、ならば私も自分の正当な権利を主張して、然るべき対価を請求して(正確には、そのプロセスを体験して)みよう。そこでX氏宛てに著作権法のリンクを貼り付けたいかつい文面のメッセージを送り、原稿料プラス割増金として、ハイスペックのスマホが1台買えるくらいの金額を請求することにした。

 結果としてなされたのは、以下の画像のようなやりとりである。

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 成功哲学者にスマホ1台分の代金の支払いを請求したら、分割払いを求められた。読者各位は私が何を言っているのかよくわからないと思うが、私自身もよくわからない。私は中国ライターであって、ドコモショップ的なサービスには対応していないのである。

 X氏が言う分割払いをOKすると途中で踏み倒されて泣き寝入りになるパターンが目に見えていたので、断固として一括払いにしてほしいと言ったところ、返信が滞りがちになった。そのまま1ヶ月近く経ったので、ネット上でテンプレートを拾ってきて生まれて初めて内容証明郵便を送ってみたところ、10日ほど経ってから「ちょっと待ってほしい」といった連絡が来た。しかし、2月6日に最後の連絡があったきりで、X氏はそのままフェイドアウトしてしまった。

 このままだと、たぶん泣き寝入りになりそうな気配だ。当方の収穫は、当該のコピペ記事が削除されたことと、内容証明郵便は近所のショボい郵便局では受け付けてくれず、でかい局まで行く必要があって時間がもったいないとわかったことぐらいである。