文春オンライン

パクリ放題のウェブ記事に中国ライターが戦いを挑んで起きたカオスな事件

「漫画村」問題は氷山の一角にすぎない

2018/04/16
note

行政書士が著作権侵害ってどうなのよ

 上記は社労士だったが、なんと更なる難関資格である行政書士でも、やっちまった人がいる。私が『現代ビジネス』に寄稿した「ブラック企業勤務より10倍ヒドい「中国人技能実習生」の悲鳴」という記事の全文が、ある行政書士(以下、Y氏)のブログでコピペされていたのだ。

 こちらは労組のブログのようだったが、プロフィール欄で公開されている電話番号や執筆者のY氏の名前で調べてみると、東京都C区内にある法務事務所に行き当たった。今回のY氏の二つ名は「元自衛官の武闘派法律家」。肉体言語でコピペという犯罪行為に手を染めたのであろうか。

 ひとまずツイッターで事実関係を問い合わせたが、返事がないため法務事務所のホームページ上に掲載された番号へ電話。すると事務員の女性を介してY氏に繋がった。「この記事は(寄稿先の)講談社の許可を得ていますか」と尋ねた私に、Y氏は「特に何にもなくてそのまま転載してるだけなんですけど」と、やや気だるそうに回答した。

ADVERTISEMENT

 その後、再び電話をしてみたところ、事務員の女性から別の事務員の女性に電話が替わり、Y氏本人とは話ができなかった。とりあえず原稿料として、PS4のハード1台と『サガ スカーレット グレイス』の移植版1本が税込みで買えるくらいの原稿料の請求を申し伝えたところ、下記の図のようなメールが来たのだった。

 ……武闘派法律家、PS4とサガスカが買えない。さきの社労士X氏ともども、わが国の士業は大丈夫なのか。日本の衰退に不安を覚えつつメールで問い合わせたところ、「巨大非弁提携業者の実態などご取材にご協力ネタを出させていただければと願っております」とよくわからない返事がきた。いらんわそんなもん。

 結局、下記のようなやり取りとなった。やはり本件についても、このまま放置すれば泣き寝入りとなりそうな気配である。