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「若い頃はクーラーをガンガンつけるほど暑がりだったのですが、今は、夏でも指先が冷えるそうです。体質が変わるくらい相撲に打ち込んできた人なんだなと、あらためて実感しています」

夜桜を背に(本人のインスタより)

 健康に配慮して、普段の食事は和食が中心。A子さんが続ける。

「米は黒米です。主人は卵を使った料理が大好きで、毎朝、目玉焼きや卵焼きを食べていますね。夜は2人で飲み過ぎない程度に晩酌。そういえば去年、私が資格の専門学校に通っている時、主人がおにぎりを作ってくれたこともありました」

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「今は充電期間」「身体知論や哲学を確立させていきたい」

 最後に、貴乃花はこれからの生き方をこう明かす。

曙と貴乃花(1993年7月場所) ©時事通信社

「今は充電期間。仕事もセーブしていますが、事務所の移籍を機に、相撲協会を退職後に設立した社団法人『貴乃花道場』を心機一転、『貴乃花』に商号変更し、新体制で進めていくつもりです。相撲を通じて得た身体理論や哲学を確立させていきたい。各地でそれらを講演やイベントで発信していけたらと思っています。

 人間の幸せというのは、お金を得ることではなく、最低限の生活を不自由なくできることだと思います。それでじゅうぶんです。人生100年と言われる時代、残りの半分は、妻とゆるりと穏やかに生きていきます」

 頂点を極めた力士時代、弟子を育てながら相撲協会理事として奮闘した親方時代。心身をすり減らす日々から解放された貴乃花の“新章”は、幸せに満ちていた。