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「本当に情けない話なんですけど、僕は何も知らなかったんです。代表だから知っていなくてはいけないんですが、分からなかった。会社で何が起きているのか、報告を受けていなかった。そんな言い方しかできないんです」

 同席した弁護士が「今回改めて会社に確認しまして、確かに不適切な助成金の申請があり、1億円超を返還したという経緯は認識しております」と補足する。

「こんなことになるなら、もっとガッツリと…」

 更に、松本は経緯を語る。

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「僕は本当にお義父さんにお世話になったんで、ご協力できるならしたいという気持ちがある。だから恩返しだと思って僕も会社の代表になりました。アパレル会社ですけど、『できることがあるかもしれへんな』って最初は思った。でも結局、名前を貸してるだけになってました。その重みもわかってなくて。こんなことになるなら、もっとガッツリと……」

  松本は肩を落とし、神妙にこう語ったのだった。

  そして、5月29日昼、「週刊文春 電子版」の配信を受けて、所属事務所は「週刊文春編集部から質問状を受領するまで、トータス松本は事実を全く認識しておりませんでしたが、自らの社会的責任を痛感し、質問に直接回答するべくインタビューに応じ、自ら知るところを包み隠さず話したという経緯でございます」と明かし、代表取締役会長を辞任したこともあわせて発表した。

 5月30日(木)発売の「週刊文春」および5月29日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」では、社内で構想された「トータス」ゆかりの商品、タイムカードを用いた不正の実態、義父が漏らした本音、松本の反省の弁、そして労働局が事案を「非公表」とした経緯――などを詳報している。

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