自動車メーカーで相次いでいる型式指定を巡る認証不正問題。不正が発覚したのは、トヨタ、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキだ。
とりわけトヨタグループでは2022年以降、日野自動車や豊田自動織機、ダイハツでも認証不正が発覚。2024年1月、ダイハツは不正があった3車種の型式指定が取り消された。
トヨタの豊田章男会長は6月3日の記者会見で「すべてのステークホルダーにお詫び申し上げる」と謝罪。翌4日には、国交省がトヨタ本社に立ち入り検査を実施した。
トヨタで何が起きているのか。「週刊文春電子版」は今年3月26日号に「《元コンパニオンに続き》トヨタが社外監査役に抜擢 豊田章男会長“喜び組記者”の履歴書 『社外取締役から反対の声も出ていたが…』」という記事を配信。トヨタ社内の“異変”を報じていた。
当時のスクープ速報を再公開する。(初出:週刊文春電子版 3月26日掲載 年齢・肩書等は公開当時のまま)
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トヨタ自動車は3月21日、社外監査役に元中日新聞編集委員・長田弘己氏(50)を起用する人事を発表した。同社初のマスコミ出身の役員となる見通し。ただ、長田氏がトヨタの豊田章男会長(67)と極めて近い記者とされることから、関係者の間でこの人事が大きな波紋を呼んでいる。そんな中、中日新聞の大島宇一郎社長(59)が「週刊文春」の直撃取材に対し、長田氏の取材姿勢やトヨタとの関係などについて語った。また、トヨタも取材に対し、「『外の目』と『中の目』を兼ね備えたジャーナリスト」などと回答した。
「トヨタウォーズ」と題する大型連載を手掛けた
「週刊文春」は2月22日発売号で、「豊田章男トヨタ会長はなぜ不正を招いたのか」と題した8ページに及ぶレポートを掲載。グループ会社で相次いで発覚した不正の背景や、豊田会長が重用してきた元レースクイーンや元コンパニオンとの「本当の関係」などについて詳報した。
そんなトヨタが今回、社外監査役に起用すると発表したのが、中日新聞の女性編集委員として有名な存在だった長田氏だ。どんな人物なのか。
「1999年に入社し、ニューヨーク特派員などを経て2019年からトヨタグループ取材班のキャップを務めた。在任中に『トヨタウォーズ』と題する大型連載を1年半にわたって手がけ、章男氏にベッタリと密着していました」(中日新聞社員)
2020年7月には、中日新聞は章男氏の「単独インタビュー」を実施。するとその記事は後日、トヨタの自社メディア「トヨタイムズ」で全編公開された。
「つまり、トヨタとコラボしたPR企画を『単独インタビュー』と銘打っていただけでした。中身も、コロナ禍での章男氏の戦いや経営哲学などをカッコよく描いたもの。こうした経緯から、彼女は一部で“喜び組記者”とも言われていました」(自動車業界に詳しい経済部記者)