なお、審査の基準は会社ごとに異なるため、信用情報のどこが審査で引っかかるかは会社によって違う。アコムではNGだったのが、デックではOKになるということもある(その逆はほとんどない)。
彼らの対極にいるのが「スーパーホワイト」である。これは、消費者金融だけではなく、クレジット会社のカードも作ったことのない“真っ白”な人だ。こういう人には過去の利用履歴や信用取引履歴が存在しない。これには2通りの解釈がある。1つは、いっさい借金をしたことがない(カードも作ったことがない)人。もう1つが、借金ができなかった人。
「借金をしたことがない」のと「借金をすることができない」のとでは大違いだ。
「借金をすることができない」というのは、言い方を変えれば、誰からもお金を貸してもらえないということだからである。
大昔に破産や債務整理をして長らくお金を借りることができなかった人の場合、その事象が古すぎると信用情報に残っていない。それゆえ「スーパーホワイト」なのだ。こうなると「クレヒス」を照会してもどうしようもなく、こちらも判断のしようがない。ただふつうに考えて、クレジットカードを作ったことも、一度の分割払いもしたこともない、いい歳こいたオヤジがノコノコとサラ金に金を借りに来るのも不自然である。そうなるとカードを作らなかった、いや、作れなかった理由を疑いたくなるのが、われわれの習性だ。
意外な理由で「審査落ちする人」とは?
最後に、意外な理由で審査落ちするケースについて追記しておこう。
それが「照会件数」。「照会件数」とはその名のとおり、お客が借入れ申し込みをして金融会社が信用情報機関に照会をかけた件数のことである。
借入れの申し込み時、すぐにお金が必要な人に限って、「数打ちゃ当たる」で次から次へと多数の消費者金融へ申し込みをする。最近では、保険加入や自動車を売りに出す際などに「一括見積もり」や「一括査定」といった複数同時申し込みが増えているから、そんなノリかもしれない。
だが、各金融機関はそのつど信用情報機関に照会をかけ、この照会自体がデータとして残る。照会件数が短期間に多いと、それだけ必死になって借りようとしているとみなされ、審査上不利になる。本当にお金を借りたい人にとって金融機関への「数打ちゃ当たる」作戦は御ご法度となのだ。