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矢田弁護士の説明を聞く間、山口さんはマイクを両手で握りしめ、視線を落としたまま顔も身体も強張らせて立ちすくんでいた。「本人が事実を認め」「被害者に誠心誠意お詫びして」と聞き小さく頷くが、「無期限の謹慎に」という言葉には表情を強張らせた。不安というよりも極度の緊張状態にあり、恐怖に耐えているという印象だ。
矢田弁護士が被害者女性の母親の手紙を読み上げると、目を閉じてうつむき、唇をきつく結ぶ。「この過ちで1人の人間の未来が奪われてしまうことは私たちも望んでいません」というコメントを聞くとぽろぽろと涙がこぼれていく。
鼻をすすり、声をつまらせながら「言えることには制限があるが」と前置きをして、話し始めた。
警察から連絡があるまで認識がなかったというが、事の重大さにマイクを持つ手は小刻みに震え、むせび泣くように謝罪する。
ジャニーズでは記憶にない壮絶な光景
だがこれは序の口。この後、報道陣による質疑応答が精神的にも物理的にも彼を追い詰めていく。
質疑応答が、囲み状態で行われたのだ。それまで彼が謝罪している間、報道陣はマイクを向けるだけだった。しかし質疑応答が始まると、彼の周りを一斉にマイクを持った記者やレポーターらが取り囲んだ。それはジャニーズのアイドルでは、記憶がない光景だった。
記者たちがじりじりと山口さんににじりより、容赦なくマイクが突き出される。山口さんの顔はどんどん蒼白になり、鼻にも額にも大粒の汗が浮いてくる。記者たちの圧の強さに身体的にも精神的にも距離を取れない状況に、強いプレッシャーを受けていたことが窺えた。