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“あの謝罪会見”の46分間、山口達也は本当は何を考えていたのか「いつかTOKIOに戻れるのでは」という気持ちが露わになった“決定的な仕草”とは

2024/07/05

genre : エンタメ, 芸能

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 2018年の春、TOKIOの運命を分ける2つの記者会見が開かれた。1つはメンバーだった山口達也(52)が起こした「強制わいせつ」事件についての謝罪会見、もう1つは残りのメンバー4人が開いた会見だ。

 後に長瀬智也さんが脱退し、残った3人は株式会社TOKIOを立ち上げてジャニーズ事務所(当時)を離れている。山口さんは事件のきっかけにもなったアルコール依存症についての講演などに従事している。

 あらためて2つの会見を見直すと、彼らの道を分けてしまうことになった心の「絶望的な温度差」が見えてきた。

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黒づくめの服装で謝罪会見に臨んだ山口達也さん ©文藝春秋

 事の発端は2018年4月、山口さんが強制わいせつ容疑で警視庁に書類送検されたことだった。

 2月に自宅マンションで、記憶も断片的になるほどの酩酊状態に陥り、女子高生に無理やりキスするなどしたという。4月20日に書類送検され、23日には示談が成立。山口さんが謝罪会見を開いたのはその3日後の4月26日だった。

 まだ法的な処分さえ出ていないタイミングで会見を開いたのは、本人はともかく「グループへのダメージを最小限に抑えたい」という気持ちがあったのだろう。

 会見に憔悴しきった様子で現れた山口さんだったが、口から出る言葉は「またTOKIOとしてやっていけたら」「反省はしますけど、前向きに生きていかないといけない」などの“甘えた”発言ばかりだった。

「最低限のご説明はしなければいけないんではないかと思いまして」

 山口さんは黒のスーツに黒のネクタイ、白のシャツ、髪型はオールバックという姿で会見場に現れた。

 会見場に入るなり、30秒近くにわたり深々と頭を下げる。少し離れた場所にジャニーズ事務所の顧問弁護士だった矢田次男氏は控えていたが、ジャニー喜多川社長(当時)ら経営陣の姿はなかった。

 山口さんが顔を上げると、ホテルのスタッフがマイクを手渡す。会見場にはテーブルも机も、マイクスタンドも何もない。報道陣から突き出されたマイクとの距離は1mもないように見える。

座る場所も用意されず、間近で記者からの質問に答えた ©文藝春秋

 最初に弁護士の矢田氏が口を開く。会社に代わって謝罪し、事件に関わる経緯、捜査状況、被害者やその家族とのやり取り、会見を開いた意図を説明する。しかしその中に、本人が会見を開きたいと申し出たという内容はない。

「最低限のご説明はしなければいけないんではないかと思いまして」という矢田氏の発言に山口さんは小さく頷いたが、会見を主導したのは事務所側と思われる。質疑応答の時には会見前日にマネージャーらと話し合い、会見することになったと山口さんが話した。

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