1ページ目から読む
2/2ページ目

「春先から会社が調査を開始したところ、Xが8人の顧客の支払いからそれぞれ500万~1000万円ほどを着服していたとわかった。その後、会社とXは返済に向けた合意書を交わし、佐世保公証役場に公正証書として提出しています」(同前)

 その公正証書の写しを小誌は入手。6月26日付で11ページに渡る内容だ。債権者はタマホームで、債務者はX氏、その父親が連帯保証人。〈Xは合計金6002万4539円を詐取・着服するという不法行為により、会社に損害を負わせた〉と横領の認定がされている。

「週刊文春」が入手した公正証書の写し ©文藝春秋

 一体、何にカネを使っていたのか。

ADVERTISEMENT

横領した社員を直撃すると…

「Xは佐世保の街で飲み歩き、後輩にキャバクラをおごることもあった。他にも以前からの借金や、ギャンブルを含む遊興費があったようです」(同前)

 タマホームは7月、X氏を懲戒解雇。だが、2カ月が経った今も、同社は元社員による巨額横領の事実を公表していない。別のタマホーム関係者が語る。

「法令順守を重視するプライム上場の大企業なら表立って説明すべき事案ですが、タマホームは事案を『隠蔽』している。会社側の管理体制に瑕疵がなかったのかを突っ込まれたり、類似事案の有無などに話が及ぶのも避けたい。立件されればニュースになりえるので、刑事告発もせず内々に済ませたいのでしょう」

問題が発生した佐世保営業所 ©文藝春秋

 X氏を直撃すると、横領の事実を認めた上で、「闇金融に借金をしていました……。数百万円を借りたら、利息が数千万円になってしまった」などと語った。一方、タマホームには事実関係を尋ねる質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。

 現在配信中の「週刊文春電子版」では、X氏による巨額横領の詳しいスキーム、交わされた公正証書の内容、X氏を待ち受ける6000万円返済の“33年ローン地獄”、X氏との詳しい一問一答を報じている。

文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。

※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。