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「公開処刑」の残酷な真実…8年後に明かされた“SMAP解散”の裏側〈解散騒動での香取慎吾と草彅剛の“赤裸々なやりとり”とは〉

2024/07/09
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 2016年1月18日の「公開処刑」から2016年12月31日の解散までの間。いわゆる“SMAP解散騒動”の渦中で、香取慎吾さんと草彅剛さんとで交わされた会話が、5月放送のテレビ番組で香取さんの口から語られました。

 3月刊行の元放送作家・鈴木おさむさんによる小説『もう明日が待っている』(文藝春秋)では、生放送番組での謝罪に至るまでの当日の様子が克明に記されました。悪夢のような緊迫感と闇深い真実が明かされています。

 今再び注目を集めている、約8年前の事件。歳月が経過したからこそなのか、ブラックボックス化していた騒動の裏側が、当事者や近しい関係者から証言されているのです。

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5人の謝罪(『SMAP×SMAP』より)

「公開処刑」のセリフを書いたのは…

 1996年に放送開始した『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)に、放送作家として立ち上げ当初から最終回まで携わり続けていた鈴木さん。『もう明日が待っている』はあくまで“小説”として刊行されていますが、鈴木さんは本書について「僕が僕の目で見た真実を記して、放送作家を辞める時に刊行すると決めました」と語っていますので、限りなくノンフィクションに近い作品だと考えていいでしょう。

 そのなかで30ページ近くのボリュームで書かれたのが、「公開処刑」とも称されている『SMAP×SMAP』2016年1月18日の放送回。黒いスーツを着たメンバー5人が黒いカーテンの前で、視聴者に向けて謎の謝罪をするというわずか3分ほどの緊急生放送についてでした。

 当時はなぜ草彅さんが、「今回、ジャニーさんに謝る機会を木村くんが作ってくれて、今、僕らはここに立ててます」と語ったのか、さまざまな憶測が飛び交っていました。

木村拓哉 ©時事通信社

 まず前提として、緊急生放送でメンバーが語った言葉は本人たちが自分で考えたものではなく、ジャニーズ事務所側の意向や指示を汲んで鈴木さんがまとめたセリフだったようなのですが、“小説”のなかでは次のように綴られていました。

〈これから1時間後には始まってしまう生放送の中で、絶対に言うべき言葉が書いてあった。その言葉は、今まで25年以上一緒にやってきたメンバーの1人が社長に謝る機会を作ってくれたおかげで、「今、僕らはここに立ててます」というものだった。これを言わせることで、今回の騒動で「誰が悪いのか」をはっきりさせるものだった。でも、その「悪い」はその人にとっての「悪い」である。〉

 このセリフをメンバーの誰に言わせるかまでは指定されておらず、鈴木さんをはじめとした番組スタッフたちは誰に頼むかということを葛藤に葛藤した末に――。